シルビア復活(か)。

初期型S13ですと,1800ccターボ。


 いまから見ても,決して悪くない排気量設定だな,と思います。もちろん,ターボはツイン・スクロールということになるでしょうし,排気量にしてもちょっとだけダウンサイジング,ということになるかも知れません。しかしながら,S13のディメンションは可能な限り生かしてもらいたい,と思います。衝突安全性などの,いわゆる受動安全性からの要請なのか,現代のクルマは基本的に大きくなっています。セグメントで書くならば,かつてのセグメントDはいまのセグメントC相当,ですし,いまのセグメントDは実質的に,かつてのセグメントE,ケースによってはセグメントL相当にまで大きくなっています。そんな中で,あのS13のディメンションは大きな意味を持つように思うのです。


 クルマだって,最終的には物理に従うわけです。


 重心は低い方がいいし,その重心は車体中央に集まっているのが望ましい。そして,小さければ慣性が発生するとしてもその慣性は小さく収めることができる。スポーツ,という言葉を確か使っていなかったにもかかわらず,結果的にスポーツ性が評価されたS13,その背景はやはり,あのボディサイズにあった,と思うのです。その「素性」が現代に持ち込まれればいい,と思います。


 と,まとめてしまいましたが,今回はフットボールを離れまして,こちらの記事をもとに,シルビア(クラスのFRスポーツ)が復活するかも知れない,という話について書いていこう,と思います。


 いわゆる,プラットフォームで言えば,確かに新たなFRスポーツに踏み込むのは難しいものがあったのかも知れない,と思います。要素技術だけで言えば,できない話ではないだろう,とは思います。しかしながら,セグメントE以上を想定したプラットフォームだけしか現段階の日産は持っていなくて,ミドルウェイト,あるいはライトウェイトFR用に新たなプラットフォームを,というのは厳しかっただろう,というのも確かです。セグメントD,あるいはプレミアムC相当のFRを投入して,さらに一定程度以上の収益性が見込めないとすれば,新たなプラットフォームを,という判断はできないだろう,と。


 でも,セグメントDは使いやすいサイズである,というのも確かだと思うのです。


 たとえば,住宅街のちょっと狭い道路だとか,昔ながらの街道筋だとか。現代的なセグメントEだと,ちょっとばかりストレスを感じながら運転されるひとも,決して少なくはないかな,と思うのです。速度域が上がれば,クルマの大きさが小さくなったように感じられる,そんなクルマも確かにあるのだけれど,物理的な小ささはやはり,現代にあってもクルマの武器だ,と思うのです。そして,その武器をトヨタ富士重工は,新たなFRスポーツとしてまとめ上げてきました。


 日産がホントに,新たなFRスポーツを開発しているのか,それはアウトサイダーであるワタシには判断できるものではありません。でも,少なくとも魅力的な話です。そんな話もありましたね,なんてことになるのではなくて,やはりそうでしたか,という話,高島町からのリリースを期待したい,と思います。