対鹿島戦(12−05A)。

狙うフットボール,その姿がピッチに表現されるようになってきたかな,と。


 特に,攻撃面で表現される部分が増えてきたような印象です。


 相変わらず遅筆堂,でありますが,アウェイ・マッチな鹿島戦であります。ここ数季,勝ち点を奪えなかった(通算ベースで見ても,イーブンという言葉には程遠い)アウェイであります。そんなアウェイで「勝ち点3」を奪ったことが最も大きな要素,という言い方も当然ある,と思いますが,個人的には「らしさ」を見せはじめたことが最も大きな要素かな,と感じます。そんな視点で,いつもよりも短めにまとめておこう,と思います。


 ごく立ち上がりの時間帯を思うと,守備応対面にユニットとしてのルーズさ,と言いますか,曖昧さが出てしまったな,と感じます。リーグ戦でリズムをつかめずにきた相手に,リズムをつかむための決して小さくない手掛かりを提供してしまったのかな,見せてはいけない隙を見せてしまったかな,と思いましたが,直後の時間帯はそんな懸念を大きく覆すものだったな,と感じます。


 縦を強く意識したシンプルなパス・ワークと,ごく限られた攻撃ユニットだけ,ではない高い機動性と。先制点を奪われた直後の時間帯に,素早くリズムを引き戻す得点を奪うだけでなく,主導権を引き寄せる追加点を奪取してみせる。磐田でのカップ戦と並んで,攻撃面で強い印象を与える,そんな試合だったように思うわけです。


 もちろん,「勝ち点3」という足掛かりをアウェイ・マッチで確保した,というのは大きな収穫ですし,攻撃面で表現できる部分が大きくなってきていることも,大きな要素です。であれば,決してショート・タームの話ではありませんが,敵地で強い反発力を示した,あの時間帯の攻撃をどのように研ぎ澄ませていくか,と並んで,攻撃ギアへのつなぎ方をどのようなギア・セットで表現していくのか,という部分が大きな要素になっていくのかな,と感じます。


 相手がバランスを崩しているときに,スローな攻撃を仕掛ける必要性も,必然性もありません。むしろ,相手がバランスを維持している局面で,どのようにして攻撃ギアを使える局面を作り出すか,という部分での話です。高い攻撃性を基準に,相手をボールに食い付かせて守備バランスなどのチーム・バランスに隙を作り出す,そのためのポゼッションも煮詰めていってほしい,と思うわけです。


 アウェイでのカップ戦,そして今節において,攻撃面のギアが持っている可能性は相当程度に感じ取ることができたかな,と思います。それだけに,戦術的にどのようなギア・セットを用意して(このギア・セットが多ければ,それだけ攻撃的な幅は広がっていくかな,と思います。)攻撃ギアへとつないでいくのか,という部分が見えてくると,浦和的なミシャ・フットボールがより明確になるのかな,と思うところです。