駒場命名権について基本合意。

とあるスポーツ・メディアさん「だけ」が報じていた話であります。


 そのときは,「獲得へ」という話でした。


 駒場ネーミング・ライツを導入する,という話は改修前後の段階で出ていたように記憶していますが,ではどのような会社が駒場命名権を,と考えると,具体的なイメージが浮かばなかったのも確かです。すると,この競技場を本拠地としてプロフェッショナルとしての歴史を刻み始めたフットボール・クラブが,命名権獲得の方向である,と。


 そして今回,基本合意に達した,とのことであります。浦和からのリリースをもとに。


 駒場改修完了と,20年という節目と。


 偶然,なのかも知れませんが,どこか不思議な縁があるのかも知れない,と思ったりします。


 大住さんの著書に詳しい話を持ち出せば,三菱自動車サッカー部がプロフェッショナルへ移行するにあたって,浦和がもともとの候補地だったのか,と言えばそうではありません。東京にはホーム・タウンを置かせない,という当時の方針がなければ,ともすれば,があり得たわけです。また,浦和市でプロフェッショナル誘致に動いていたひとたちも,もともと三菱を浦和に,と考えていたわけではありません。「幻のオリジナル・テン」がともすれば,ということがあり得たわけです。しかし,ともすれば,が起きることはなくて,浦和と三菱が出会うことになります。そして,「浦和」が駒場で動き出すことになるのです。


 このことも言ってしまえば,偶然なのかも知れません。


 そして,今回もどこかでそんな偶然を感じるわけです。ネーミング・ライツを導入する,という話だけで見るならば,駒場が本格的な改修に入る段階でも聞こえていたように記憶しています。早期にネーミング・ライツに関する契約をまとめる意図があったならば,恐らくネーミング・ライツと改修費用とがつながっていたかも知れません。しかし実際には,改修費用とネーミング・ライツがリンクすることはありませんでした。駒場の改修,その完了時期が聞こえるようになってきて,その時期を同じくするようにネーミング・ライツの話が出てきたように感じます。しかも,その相手方が,フットボール・クラブとしてはじめて命名権獲得,ということになる浦和である,という記事で。


 もちろん,命名権取得には契約金が動くわけですからフィナンシャルな部分についての検討,命名権獲得後の利用方針などについてもしっかりとした検討がなくてはいけないのですが,駒場という競技場との縁がプロフェッショナルとしてのスタートだったクラブが命名権を獲得するのは,ある意味自然なことかも知れない,と思ったりします。