4月下旬から対抗戦とリーグ戦の交流戦。

「2回戦総当たり制」を望む立場としては,物足りないところがありますが。


 それでも,大学選手権とは違う,真剣勝負の舞台が用意されるというのはうれしい話であります。まずは,このラウンドロビンを大事に育ててもらって,大学ラグビー全体として2回戦総当たり,の文化を根付かせてもらいたい,と思っています。


 いきなりまとめにかかってしまいましたが,今回はこちらのニュース記事をもとに,監督会議で実施が決定した交流戦の話を書いていこう,と思います。


 まずは,ちょっとばかりこの記事を引用させていただきますと,

 それぞれの所属8チームを昨季順位によって1〜4位、5〜8位の2つのグループに分けて、各チームは別のグループと4試合ずつ行う。例えば対抗戦1位だった帝京大はリーグ戦1位から4位の流通経大、東海大関東学院大大東大と対戦。期間は4月下旬から7月上旬まで。第1ジャージを着用し、勝ち点制で順位をつける。


とのことであります。


 関東協会の日程を見ても,交流戦が表記されていなかったのは,2011〜12シーズン,という扱いではなくて,2012〜13シーズン,そのプレ・シーズン的な位置付けのため,でありましょう。そんなスケジューリングであります。で,トーナメント形式を読んでみると,対抗戦,そしてリーグ戦を上位4チームと下位4チームに分割,実力差を縮めた状態でラウンドロビンを戦うとのこと。このアイディア,最も大きな要素ではないかな,と思っています。


 対抗戦にしてもリーグ戦にしても,なかなか実力的に接近したチーム同士の対戦,というのは組めていないように思います。そもそも1回戦総当たりですから,強豪校との対戦が物理的に多くないのです。さらに,同じリーグ戦を戦っていながら,グループ内部での実力差が少なからず存在しているから,真剣勝負,という意味での試合数がさらに限定されてしまうことになります。では,大学選手権が真剣勝負を加える絶好の舞台か,となると,こちらはカップ戦ですから,試合数が決して多いわけではありません。


 2015,そして,ホスト・カントリーとなる2019を考えると,あまりに強化環境が脆弱である,と言わざるを得ないように思うのです。主力を担ってもらわないといけない,そんな年代の実戦環境が,アソシエーション・フットボールと比較すると,あまりに弱い。そんな環境が変わる,ひとつのきっかけがこの交流戦ではないか,と期待しています。もちろん,冒頭に書いたように,2回戦総当たりではない,という部分がすごく気になります。真剣勝負を通じて,自分たちのラグビー,その問題点や課題を見つけ出し,トレーニング・セッションを通じて戦術的なリファインを施す。そして,2回目の対戦につなげていく,という循環が,最も求められている年代ではないか,と思っているのです。


 2015から逆算すれば,できるだけ早い段階で2回戦総当たり制の,長期にわたるリーグ戦を戦ってもらわないと困る,そんな年代です。決してリードタイムは長くはありません。それだけに,4月下旬からはじまるこの交流戦は,失敗されては困る。実力的に拮抗したチームが真剣勝負を挑み,大学年代が強化されていく。その手応えをぜひとも,つかんでほしいと思いますし,「その先」につなげてほしいと,思うのであります。