組み合わせ決定(第48回全国大学選手権)。

東高西低が崩れるのか,それとも維持されるのか。


 楕円球なフットボール,大学選手権についてJRFUのリリースをもとに書いていこう,と思います。


 全国大学選手権は,「残念ながら」オープン・ドローを採用しているトーナメントではありませんので,1回戦のカップタイ・ドローが決定した時点で2回戦以降の対戦カードがある程度読める状態になっています。ですので,ちょっと2回戦以降を見据えてAブロックとBブロック,それぞれを見ていこう,と思います。


 まずは,Aブロックであります。


 やはり意識しておくべきは対抗戦Aを制した帝京でありましょう。対抗戦でのリズムをそのまま選手権へと持ち込むことができる(コンディショニングを選手権へとしっかり合わせられる)ならば,やはりカップに近い位置にいる,と評価すべきチームではないか,と見ています。初戦は九州リーグ1部覇者,福岡工業大との対戦がレベルファイブで組まれています。
 もうひとつ,個人的に注目しているのは,帝京大と同じく対抗戦Aを主戦場としている筑波大,であります。対抗戦Aの戦績を見ますと4位となっていますが,勝敗数で見ると今季は2位から4位までが同じ勝敗数で並んでいます。いわゆる強豪校との距離を筑波大が縮めてきている,とも見ることができるわけで,彼らが選手権でどれだけトーナメントを上がっていけるだろうか,と見ているのです。そんな彼らの初戦は関東リーグ戦1部を2位でフィニッシュした東海大です。Aブロックではかなり厳しい初戦ではないかな,と思いますが,この初戦を制したチームはトーナメントを加速してきそうな,そんな感じもどこかにします。


 続いてBブロックを眺めてみますと。


 まず注目は,関東リーグ戦1部覇者として今季はじめてクレジットされた,流通経済大でありましょう。初戦の相手は,対抗戦Aでリズムをつかみきれなかった,ように映る慶應義塾であります。潜在的にはまだまだ持っている,と思うチームでもありますので,対抗戦A5位との対戦であるとしても決して簡単な試合とはならないのではないかな,と感じるところです。続いて注目なのは,(なかなか関西勢の動向はチェックしきれていないので,どんな戦いぶりなのかが不透明ではあるのですが)関西リーグ戦を制した天理大であります。彼らの初戦はまだ代表校が決定していない関東第5代表とのゲームであります。これらの初戦を制することができると,瑞穂で関東勢と関西勢,その実力校同士が対戦することになるわけです。トーナメント・ドローが固定されているために,ちょっと早めの対戦が(現段階ではあくまでも可能性の話ですが)見えてしまうのがもったいないかな,と思いますが,アウトサイドなラグビー・フリークとしては楽しみなカードが実現しそうだな,と見ています。


 さてさて。ここ数季は関東勢のプレゼンスが目立つ反面で,なかなか関西勢はその存在感を示すことが難しい,そんな状態でした。そんな状態に変化が見えてくるだろうか,というのが個人的な注目点であります。その意味で,Bブロックに不思議と集中した関西勢,彼らの戦いぶりには期待したいところです。そして当然ながら,トーナメントを主導していくだろう関東勢の覇者,流通経済大帝京大の動向であります。リーグ戦ではカップを奪取できなかった強豪校を含め,それぞれのプライドが存分にフィールドに表現される,そんな選手権であることを期待したい,と思います。