対福岡戦(11−33A)。

勝ち点3を積み上げていくこと。


 今季,この難しさを痛感させられてもいますし,勝ち点を積み上げていく,という作業が難しいままであったがためのポジションでもあるのですが,今節においても難しさは変わらなかったな,と感じます。ただ,今節が大きく違うのは,難しくはあっても勝ち点3奪取をクリアしたこと,でありましょう。


 さて。アウェイ・マッチな福岡戦でありますが,ちょっとゲームから時間が空いてもおりますし,短めに書きとめておこう,と思います。


 32節で確保した勝ち点1を本当に意味あるものとするために,そしてライバル・クラブにプレッシャーを掛け与えるために,「勝ち点3」奪取が求められていたゲーム。


 今節の位置付けをまとめるならば,このようなものになると思いますが,実際には自分たちのフットボールだけを意識しておけばいい,というゲームではなくて,しっかりとしたチーム・ハンドリングが要求されるゲームだったようにも感じます。相手が展開するフットボールに対応するために,いまの浦和が表現すべきフットボール,そのいくつかの要素を微調整しながらゲームを進める必要性があったように思うのです。


 現任指揮官が狙うフットボールを,徹底して浸透させる。優先項目のひとつであることは当然ですが,そのフットボールは「結果」を引き寄せるための手段,そのひとつであるというのも確かです。そして,戦術的に相手が狙うフットボールとうまくかみ合わない(=自分たちのフットボールを表現しているだけではなかなか主導権を引き寄せきれない),というケースも当然に存在します。チーム・コンセプトがスターターに徹底されていること,だけではなく,対戦相手が表現しようとするフットボールに対応して,どのような微調整を施すか,と。この微調整が,今節における鍵のひとつではなかったかな,と思うのです。思うのですが,負傷退場,という事態によって微調整できていたバランスが動揺してしまった。その動揺は先制点を奪われる,という形に結び付くわけですが,アディショナル・タイムでのゴールによってスコアをイーブンな状態へと引き戻せたことは大きな意味があった,と感じます。


 ハーフタイムを,ビハインドを背負った状態で迎えるのか,それとも追い付ける,という感触を得て迎えるのか。チームの心理に,ポジティブな感触を与えてくれたものと思いますし,その感触が結果的にゲームを決定付ける追加点へと結び付いていったものと思います。


 本来ならば,微調整がスムーズに機能する,そんな状態でなくてはいけない時期です。チーム・コンセプトがしっかりと浸透しているかどうか,そのコンセプトをチームが理解し,ピッチに表現できるかどうか。そんな心配をしていなくてはいけない時期ではないし,対戦相手に対応していくための微調整が,想定外の戦術交代であったとしても戦術交代によってそのバランスを崩す(チーム・コンセプトが揺らいでしまう),というのはあってはいけないこと,です。今節,「勝ち点3」を積み上げられたことは大きな収穫ですし,勝ち点3差をつけて最終節を迎えることができる(戦い方の幅を持つことができる)ことも大きな意味があると思っていますが,同時に今季の厳しさをあらためて認識させられる,そんな試合だったようにも感じています。