横河武蔵野、活動自粛。

実際に,どのような状態だったのか。


 しっかりと見つめてくることも,確かに重要かも知れませんね。映像,活字を含めて各メディアが報じてきた内容では理解できなかったのであれば,なおさらに。ただ,チームとして足を運ぶべきなのかどうか,はまた違った話になるのではないか,と思うのですが。


 こういう話で楕円球の話をするのは不本意ですが,毎日さんのニュース記事をもとに,横河武蔵野に関する話を書いていこう,と思います。


 この記事を読む限りにおいて,ことの始まりはすこぶるラグビー的なことです。


 スクラムの組み方をめぐって揉めた,とのことですから,駆け引きが相当に熾烈だったのだろう,と想像します。相手との呼吸が合わなければ,スクラムはしっかりとエンゲージすることはないのですが,反面で自分たちのリズムでスクラムをエンゲージしたいという意識は当然にあるはずですし,低く入りたい,という意識も働くはずです。相手との主導権争い,あるいは駆け引きであります。この意識,別に釜石に限ったことではなくて,横河武蔵野も自分たちの形でスクラムを組みたい,と思っていて当然です。であれば,駆け引きの中で何らかの揉め事が発生したとしても,(もちろん,ホメられる話では決してありませんが)ある意味仕方ないかな,とは思うのです。揉めることを奨めるわけではないとしても,揉める可能性はあるだろうな,と思うのです。
 

 しかしながら。実際に発せられたとされる言葉は不適当,どころではないようにやはり感じます。


 さまざまなメディアが報じてきた被害,あの被害を目の当たりにして,冷静さを維持できるひとがどれだけいるだろうか。冷静さを保っているように見えていたとしても,必死になってその冷静さを保とうとしていたのではなかろうか。ともすれば崩れ去ってしまうかも知れないものを,必死に支え続けていたのではないか,と。試合の駆け引き程度で冷静さを失っているような選手が,あの場にいたとして同じ言葉を使えるだろうか。そういう視点から見れば,この選手個人が実際に足を運んでみることには,すごく大きな意味がある,と思うのです。


 と同時に,チームまでが活動を自粛する,その必要性はない,と思ってもいます。


 横河としては,選手個人の責任はチームの責任,そういう意識に立っているのかも知れませんが,ほかの選手から実戦環境を奪うことになります。活動期間が長いとは決して言えず,選手強化という側面からも不十分な環境でしかないリーグ戦,そのリーグ戦で4試合もの実戦を奪う,ということを横河はどう考えているのか。言葉についての責任は責任として,実戦環境を大事にしてほしかったな,と思うのです。また,リーグ戦という観点からも,この判断には疑問が残るのです。現段階でリーグ戦は3試合を消化していて,横河武蔵野との対戦を終えているチームも3チームあります。この戦績をどのように扱うのか。そして,次節の対戦相手である秋田ノーザンブレッツを含めて4チームが自粛期間中の試合にかかわることになるのですが,その扱いをどうするのか。横河の判断によって,関東協会はかなり難しい課題を持つことになったな,と感じるところです。


 いずれにしても。選手個人からすれば,それほど深く考えずに発した言葉なのかも知れませんが,その後の流れを見る限りでは,あまりに重い言葉になってしまったな,と感じます。チームもその重さを感じよう,という判断なのかも知れませんが,個人的には言葉を発したひとがしっかりとその重さを受け止めれば,それで収めるべき話でもあるように,どこかで思うのも確かです。