浦和視点でU−22日本代表候補トレーニングキャンプメンバーを眺めてみる。

チームが,フェアな競争環境にあること。


 クラブ・チームでも,そして代表チームでも重要な要素だろう,と思います。


 チームとして表現すべきフットボール,戦術的な約束事を浸透させるためには,ある程度チームを固定して戦っていくことが求められるとは思いますが,反面で「誰が出ても方向軸の変わらないフットボール(個が違うのだから,「同じ」と言うわけにもいかないとは思いますが。)が表現できる」という状態を考えると,戦術的な約束事を共有できる,その基盤は可能な限り広げておかなければなりません。


 ここまでのU−22を振り返ってみると,ある程度「主力選手」は固まってきているように感じますし,関塚さんが狙うフットボールがピッチに表現される,その前提条件は固まってきているように思います。となれば,「誰が出ても方向性が変わらない」という段階に踏み込むべき時期かな,と感じます。


 関塚さんのコンセプトを表現するために,違った個がどんな表現を持ち込むか。そんな観点から,JFAのリリースをもとに,今回はニュートラル,ではなくて浦和視点で書いてみよう,と思っています。


 さて。やっとゲームからトレーニング,そしてゲームへ,という循環が1週間という時間枠で動かせるようになるのに,リーグ戦終盤のファースト・チーム,その鍵を握るかも知れないフットボーラー(つまりは直輝選手であり,水輝選手でありますが。)が抜かれる形になる(リカバーのタイミングに,違うコンセプトでのトレーニング・セッションが組み込まれることになる),というのは心中複雑,なのですが,反面で今回クレジットされた大谷選手にとっては好機かも知れない,と思ったりもするのです。というのも,

 今回はA代表に選ばれていた選手やJ2リーグで試合がある選手など以外で、チームをさらにスケールアップさせてくれる可能性ある選手たちを新たに招集した。


という関塚さんのコメント,このトレーニング・キャンプが持っている意味を的確に示しているように感じるからです。


 GKのポジションで考えるならば,アルベルトさんのチームに権田選手が呼ばれていました。つまり,今回のキャンプで実際にパフォーマンスを確認するための枠が1つできている,と言えるわけで,その1枠に大谷選手が入った,と見ることもできるわけです。関塚さんが狙うフットボールをこのキャンプを通じてしっかりと理解すると同時に,増田選手,あるいは安藤選手とは違った個性,大谷選手が持っている武器を,ピッチで表現することができるならば。


 このポジションで,スターターとしてクレジットできるのはひとりだけ,ですから,必然的に競争は熾烈です。この競争に大谷選手が割って入ってほしい,と思っていますし,彼がこのキャンプで存在感を示すことがU−22のパフォーマンスを高めることになる,とも思っています。