1/34ではない1/34。

恐らくは,4−4−2ウィングなパッケージでしょうね。


 指揮官が描くフットボールを思えば,あくまでもオプショナルのパッケージだったかも知れません。そもそも,4−4−2へと変更したのは今回が初めてではないですし。しかしながら,オリジナルである4−3−3がどれほど組織的に機能してきたか,「個」を引き出す基盤としての機能してきたか,という部分を冷静に振り返ってみれば,4−3−3は決してオルタナティブでもなければ,緊急避難的なオプショナル・パッケージでもない,と感じるところです。


 さて。個人的には数字の話だけをしようというのではなくて。


 数字が,しっかりとした基盤をファースト・チームにもたらしているのではないか,と見ているのです。アウトサイドから見る限り,4−3−3は「戻るべき場所」としての機能を持ち得ていなかったように感じられます。4−3−3,という「形」を意識し過ぎているからか,チームから機動性や流動性が失われてしまって,攻撃面にしても守備応対面にしても,どこか「借り物感」が付きまとってきていた。


 そんな借り物感が,4−4−2によって払拭されたような印象を持つのです。戦い方についての「確信」というか,自分たちの戦い方に対する手応えを感じている,というか。そんな確信であったり手応え,心理面にポジティブな影響を与えてくれるのではないか,と思うのです。


 ダービー・マッチは,「相手に挑み掛かる姿勢」をより強く持っている側に主導権が傾いていく。


 そんな印象を持っていますし,浦和が置かれているポジションを思えば,「相手に挑み掛かる姿勢」を徹底的に押し出していかなくてはいけないはずです。相手に挑み掛かる姿勢を,立ち上がりからピッチに表現するために,チームを揺るがす要素は必要ないでしょう。オリジナルであろうが,理想のフットボールであろうが,確信を持ちきれないものであれば,持ち込む必要などない。結果を引き出してきた,自分たちの戦い方として突き詰めていける,という手応えを持っているパッケージで,存分に相手に挑み掛かっていけばいい。


 1/34ではない1/34のゲームは,戦術的な要素であるとか,内容面がどうである,という話の前に,気持ちの強さが意味を持つし,気持ちの強さがゲームの主導権に直結するはずです。相手を侮ることなく,恐れることなく真正面から100%のファイトを。