対鹿島戦(11−27A)。

今節,積み上げることができたのは「勝ち点1」。


 スタンディング下位との距離が縮まってしまった,ということを思えば,この時期の勝ち点1は決して望ましい足掛かりではないのですが,それでも立ち止まってはいない,という部分は評価すべきかな,とは思います。むしろ,今節獲得した勝ち点1が意味を持つ,そんな状態に持ち込まなくてはいけない,ということがより重要な時期ですし,状況なのだと思います。そのためにも,チームとしてやるべきこと,整理すべきことがあるように感じます。


 アウェイ・マッチな鹿島戦であります。今回は短めに。


 今節,ここまでの戦い方とはちょっと違った戦い方をピッチに持ち込んできているように感じます。たとえば,今節の戦い方が「対鹿島戦仕様」であるとすれば,次節以降にキャリーされる要素は限定的,なのかも知れませんが,であるとするならば,まだコーチング・スタッフは何が問題なのか,明確に理解していない,ということになるか,と思います。今季の大きな問題点は,自分たちが描くべきフットボールが固まらない,ということに尽きる,と思っています。そもそも論で書くならば,指揮官が持ち込んだフットボールと,戦力構成との決定的なインバランス,でありますが,何回かこのフットボールを現実主義的な形に変化させる,そのきっかけがあったのも,また確かだと思うのです。


 そのきっかけを,ことごとく生かせていない。のみならず,機能していないフットボールに引き戻そうとまでしている。


 結果として,「勝ち点3」を奪うための組織的なアプローチ,「型」とでも呼ぶべきものが見えないままにシーズン終盤,しかも状況的に厳しい終盤を迎えることになっている。組織的な約束事を落とし込もうにも,その約束事をどのようにセットするのか,という根幹に関わる部分で揺れ続けてきてしまっているから,もともと持っている約束事を微調整して,というアプローチにはなりようがない。ある種の最適解,かも知れない戦い方であるとして,その戦い方は熟成されたものではないから,不十分な要素,未整備な要素を残した形になってしまっている。


 何回目かのきっかけが,今節である,とも言えるように思うわけです。


 守備応対面と,攻撃面をどのようにしてバランスさせるか。今節は,いささか荒削りな印象があったけれど,この荒削りな部分を詰めていく,もっとシンプルに約束事を突き詰めていくだけの時間は,まだ残されているように思います。本来ならば,もっと違うフットボールをピッチに描けるかも知れない,違うフットボールを描いているべきだ,と思うけれど,そんなことを言っている時期ではありません。


 今節の戦い方から,どれだけの要素を継続して次節に持ち込めるか。逆に,今節の戦い方で露呈した課題,不十分な要素などをどれだけ多く潰して次節に臨めるか。シーズン終盤だから,と言って,単純にメンタルだけを要求していては,「狙って」勝ち点3を奪うことは難しいはずです。シーズン終盤だからこそ,しっかりとした戦い方を意識して,試合へのサイクルをつくっていってほしい,と思うところです。