対甲府戦(11−22A)。

攻撃的,と掲げているけれど。


 「どうボールを奪うのか」,より明確に書けば,「誰か」だけに依存するボール奪取ではなくて,チームとしてのボール奪取イメージが曖昧なのだから,攻撃的にゲームを動かそうにもその前提が抜けている,と評価されても仕方ない。そのためのマンマークでなければならないのに,ひとつひとつのマンマークが連動性を持っていない。約束事,という枠を持っていないから,相手にユニットを揺さぶられる,というネガティブをどうしても潰しきれない。


 国立霞ヶ丘での,アウェイな甲府戦であります。


 あまり長く書くべき試合でもないし,その必要もない試合だったか,と思います。


 端的に書けば,相手のやりたいフットボールにしっかりと乗ってしまったな,と感じます。相手は,浦和がどのような戦い方をしてくるか,しっかりと分析して,自分たちがどう戦うべきか,チームへと落とし込んできた。そんな相手のフットボールに嵌り込んだ,その大きな要因はやはり,守備面での不安定性だろう,と見ています。
 コンディションが,という問題以前として,浦和はどのエリアでボールを奪いたいのか。どのような網を張り,その網に誰が誰を誘い込むのか。最終的に,相手からボールを奪う,その形をどのようにイメージし,そのイメージを現実とするのか。そのためのマンマークであったりチェイシングであって然るべきなのに,後手を踏むゲームでは約束事,シークエンスがまったくと言っていいほどにピッチから感じ取ることができない。
 守備面でのシークエンスが描けていないのであれば,攻撃面のシークエンスは描きようがない。組織的,という言葉をピッチから感じ取れないフットボールで,長期にわたるリーグ戦を戦い抜くのは難しいはずです。「戻るべき場所」を構築できていない,とも言えるわけですから。


 チームが100%フィットからは離れた位置にある,という印象も確かにあるけれど,フィットネス,あるいはコンディション以前の問題として,チームが共有していなければならないシークエンスが感じ取れないことの方が,圧倒的に大きな問題だと感じます。