F1もEVモードに(ピットレーン限定)。

環境面への配慮,だとは思います。


 今回,技術規則が変更される,その背景には環境面への配慮があったものと思います。エンジンも小排気量化を意識して,V型6気筒・1600ccのターボ・チャージへと変更されますし。ではあるのですが,技術的にクリアしておかないといけない課題がありそうです。


 さて。今回もフットボールを離れますが,いつもはそれほど取り扱うことのないフォーミュラ1な話をオートスポーツさんのニュース記事をもとに書いていくことにします。


 ごく大ざっぱにこちらの記事を要約しますと,2014シーズンからはピットレーン走行時にエンジンでの駆動は不可能となり,エレクトリック・モードでの走行が求められることになる,とのことです。この記事ではKERSの大容量化についても触れられていますから,エレクトリック・モードとはつまり,KERSだけを動かしてピットレーンを走行してもらう,というアイディアのようです。


 しかしながら,技術的に考えてみると,クリアしておかないといけないこともあるな,と。


 たとえば,エンジンの再始動性をどう確保するか,です。ピットレーン進入時にはエンジンをカットオフすることが求められることになります。(ちょっと渋めの技術ですが)セッティングの一環としてエンジンに高い負荷を掛けた直後にエンジンを停止する,というやり方があります。燃焼状態を,プラグを通じて確認するための手法であります。ですので「止める」,まではあり得ることなのですが,そのあとにそれほどの時間を置かずに再始動する,というのがどうなのだろうか,と思うのです。
 さらに,ピットアウトするとしてもピットレーンを抜けきるまではエンジンを再始動するわけにはいかない,ことになるはずです。ピットアウトについてどのような表現になっているのか,この記事では判断が難しいところがありますが,厳密に理解すれば,コースに戻るまではエレクトリック・モードを継続する必要がある,と。となれば,ゼロ・スタートができるわけではなくて,ハイブリッド・システムを採用しているクルマのように走行しながらエンジンを再始動させることが求められるわけです(そこで,スタータ搭載が技術規則で認められるようになる,と)。モータ駆動を切って,エンジン駆動に切り替える,という流れをどれだけ違和感なく繋ぎ合わせられるか,が技術的な鍵になるかな,と思うところです。


 ある意味,フォーミュラ1がトヨタ的なハイブリッド・システムにちょっとだけ近付く,そんな技術規則の改正であるように,個人的には感じます。