対磐田戦(11−05A)。

やはり,どこかに「欧州的なアウェイ感」がありそうだ,と。


 であるならば,リザーブがちょっとばかり「不自然」であるようにも感じます。


 3連休最終日ではありますがいつも通りに,の磐田戦であります。


 さて。以前のエントリでも書いたことではありますが,どうも現任指揮官はどこかで,「欧州的なアウェイ」を強く意識して戦い方を組み立てているのではないかな,と感じています。その印象が今節にあっても基本的には継続されていた,とは思うのですが,どうもディテールにおいて不自然,と言いますか,違和感を感じる部分があります。今回は,そんな部分を掘り下げてみてみよう,と思います。


 今季の浦和は,自分たちが表現すべきフットボールに軸足を置くと言うよりは,むしろ相手の強みを抑え込む方向のフットボールを展開しながら,ワンチャンスでゲームの流れをつかむ方向性を意識しているように映ります。このような戦術イメージをもとに今節を振り返ってみれば,途中まではほぼプラン通りではないかな,と思うのです。そして,ここ数節課題となっていた,前半段階での先制点奪取でもあるわけですし。


 ただ,守備的な入り方をしているためなのか,先制点を奪ってからの戦い方が明確さを欠いているところがあるのかな,と感じるところがあります。


 相手の強みを抑え込む,という方向性を徹底するのであれば,(個人的な嗜好は別として)「ゲームを壊しに行く」,アンチ・フットボール方向へとチーム・バランスを傾けるという選択もあり得ます。ここまで徹底したゲーム・プランを持ち込まないにしても,守備ブロックの負荷をある程度軽減させながら,守備応対の安定性を維持させる,というプランはあり得るものでしょう。守備面での安定性を意識しながら,追加点を冷静に奪いに行くべくチャンスを待つ,というように。
 ではあるのですが,どうも今節を見る限り「先制点奪取後」の戦術イメージは必ずしも明確ではなかったのかな,と感じるところがあります。先制点,というアドバンテージを持ちながら,むしろ相手に主導権を掌握され,ゲームを動かされてしまったように感じるのです。
 

 「アウェイ仕様」そのものが,問題だとは思いません。


 その「アウェイ仕様」を徹底し切れていないことに,最も大きな課題があるのではないかな,と思うのです。相手の持っているストロング・ポイントを抑え込む方向からゲーム・プランを組み立て,戦い方を描くことはまったく不自然などではないのですが,それは「自分たちがゲームを動かす」という意識があってのこと,だと思うのです。そして,今節は先制点によって自分たちがゲームを動かす,そのための手掛かりを前半段階で得てもいたはずなのです。でありながら,後半はビハインドを背負っているはずの相手が主導権を掌握していて,その戦い方に乗せられる形になってもいた。
 「勝ち点3」か,それとも「勝ち点1」なのか,という数字も当然に重要な話なのですが,その前提にもなる「戦い方」に課題を残している。むしろ,問題とすべきは戦い方についての課題ではないかな,と思うのです。