青いワイルドナイツ。

まだ,違和感がありますね。


 パナソニック(と言いますか,松下さんと言いますか。)からすれば,パナソニックを冠するからにはコーポレート・イメージにも使われている「青」で当然でしょう,と。そういうことであろうな,とは理解はできるのです。ラグビーフットボール,という要素とはまったく関係ない話,ではあるのですが,パナソニック三洋電機を完全子会社化する,という話が密接に関わっているわけです。この話,パナソニックと三洋との「もともとの関係」を思えば,長く別々の道を歩んでいたものが,再び同じ道に戻っただけ,ということになるわけで,決して不思議な話でもないな,とは思うのです。


 思うのですが,エコノミクスな話とラグビーフットボールの話はまったく別でもありまして。三洋電機ラグビー部,という時代から「どこか気になるクラブ」として意識していましたし,トップリーグが動き出す,という段階ですと,やはり自分が住んでいる街と近い,ということもあって,いつしかしっかりと追い掛けているクラブとなっていました。そのイメージが変わる,と。


 さて。今回はフットボールと言っても楕円球方面の話でありまして,ワイルドナイツの話をちょっと書いていこうかな,と思います。


 さて。トップリーグ創設以降,と限定して考えてみても,ユニフォーム・サプライヤーは,意外と変わっているな,と思います。カンタベリーが担当していた時代があって,カンタベリーとの契約が満了となるとカリスブルックがユニフォーム・サプライヤーとなります。ただ,カリスブルックがサプライヤーだった期間はそれほど長くはなくて,アンダーアーマーが新たなサプライヤーとなります。
 サプライヤーが変われば,ホーム・ジャージの印象は変化していきます。ジャージに採用されるマテリアル,その進化に伴ってジャージのフォルムも変化しますし,見た目の雰囲気も当然に変化していくわけです。それでも,「赤備え」と自ら形容してきた雰囲気,そこまでが大きく変化することはありませんでした。そんなジャージに転機が訪れる,と。


 「赤いジャージ」への郷愁は,確かにあるのですが。


 でも,「違和感」を薄めていくのは,結果かも知れない,とも思います。「野武士軍団」と形容されてきたチームはときに,勝負弱さを露呈してきた。思えば,「赤いジャージ」,新日鐵釜石であったり神戸製鋼の引き立て役を演じてしまったのです。そんな「悪しき伝統」を,トップリーグでも引き継いでしまうのか,と思ったこともありました。でも最近のチームは,そんなイメージを過去のものにしてくれているのも確かです。


 三洋電機ラグビー部,という魅力あるチームの伝統はチームひとりひとりに間違いなくあるはず。ジャージは青くなっても,「赤備え」の気概を忘れずに青いジャージで新たな歴史を刻んでいってほしい,と思います。