日産からアウディ。

フットボールとの関係性が,結構強いメーカですね。


 たとえば,バイエルン・ミュンヘンであります。ミュンヘンには「バイエルン発動機製造」(要はBMWでありますな。)があるのに,不思議とBMWバイエルンとのスポンサーシップに動いたことがある,とは聞いたことがありません(思うに,BMWのイメージとフットボールとが結び付かない,とか,モータースポーツにより多くのリソースを投入したいとか,そんな意図があるのではないかと)。で,同じバイエルン州インゴルシュタットに本拠地を構える,この会社とスポンサー契約を結んでいるのであります。


 そういう会社と,契約を締結しました,というJFAのリリースをもとにちょっと書いてみよう,と思います。


 正直なことを書けば,意外な印象を持ちました。確かに,アウディは欧州主要クラブとスポンサー契約を締結するなど,積極的にフットボールという競技を通じて自社をプロモートする姿勢を持っていますが,日本市場で同じような姿勢を見せてくる,とは思っていなかったのです(フットボール,という競技の認知度であったり,メディア露出度などを冷静に考えればなおさらに)。そして,JFAと契約するとは考えていなかった。


 それだけに,アウディがJFA(代表チーム)を選んできた,というのは意外だったのです。


 ただ,冷静に考えれば「代表」の認知度やメディア訴求度は決して低くはありません。そして,自動車メーカ,というスポンサー枠が空席にもなっています。アウディとしては「狙って」この契約を締結してきたのではないかな,と見ています。JFAとのスポンサーシップが短期的に,さらには直接的に日本市場での存在感を強める方向へと作用する,とは思っていないでしょう。当然,競技場などでのプロモーションを通じて,アウディという自動車メーカの認知度を高めていくでしょうが,まずはJFAとスポンサー契約を締結したのが,国産車メーカではないという「意外性」によってインパクトを,と思ったのではないでしょうか。
 確か,以前は日産がサポーティングカンパニーとしてクレジットされていました。旗艦車種がJFA,と言いますか代表チームに貸与されていて,監督が各競技場へ視察に向かう,などという場面でその旗艦車種が映り込んでいた,という記憶があります。この契約が満了となって,しばらく自動車メーカ方面のスポンサー契約は「該当なし」だったわけです。そんな空白期間を経て,今度は輸入車メーカ,しかも欧州主要クラブとスポンサー契約を締結しているアウディがJFAと,という事実そのものがちょっとしたプロモーションとして機能するように,個人的には感じるのです。


 さてさて。アウディからどんなクルマが貸与されるのかな,と思いますに。


 ザックさんには恐らく,旗艦車種であるA8か,あるいは先頃日本市場への本格投入が発表されたA7でありましょうか。いずれにしても,ザックさんの雰囲気とアウディの持っている雰囲気は結構合っているのではないかな,と思います。