インプレッサ、R4公認取得。

ちょっとだけ戦闘力が戻ってくる,という感じでしょうか。


 にしても。S2000規定を使いこなせるタマがないと,ここまで戦いが難しく,厳しくなるか,という印象であります。今回は,ラリープラスさんのニュース記事をもとに,フットボールを離れてラリーな話を書こう,と思います。


 さて。今回富士重工が公認取得した“R4規定”でありますが。


 ごく大ざっぱな言い方をすれば,グループNの改造範囲を広げる規定,であります。


 たとえば,グループN規定では,サスペンションについての改造範囲はきわめて限定的です。ストローク量,などという言い方をしますが,サスペンションの可動範囲は市販車状態を維持することが求められますし,となると当然,ジオメトリーの変更やリンク(車体やサブ・フレームとサスペンションをつなぐ部品)の交換も許されず,市販車状態を維持する(たとえば,ゴム・ブッシュを使用している場合は,そのゴム・ブッシュのままを維持する)ことが求められます。今回R4公認を取得したことで,リンク関係をピロ・ボールに変更するであるとか,サスペンション・ストロークを変更できるようになった。小さな要素ではありますが,戦闘力アップにつながる要素を手に入れることができた,とは言えるかと思います。


 そして,マシンの物理特性や性能面に大きな影響を与える,車体重量という部分でも“R4規定”は意味を持ちます。


 S2000の最低車体重量は車両のみで1200kg,と規定されていますが,グループN車両、と言いますか,グループN規定のインプレッサですと,1350kgが指定されていました。エンジンを考えると,S2000は2リッターのNA,対してインプレッサは同じ2リッターでもターボ・チャージドですから,ちょっと見るとなかなかよく考えられたハンディキャップに映るかも知れません。知れませんが,150kgはいささか多すぎる。確かに,レースによってはウェイト・ハンディキャップ制を導入しているものがありますが,ここまでのハンディ・ウェイトを搭載することを想定してはいない。性能調整にしても,150kgは勝負権を失うことを意味しかねないもの,に見えます。この状態をちょっとだけ,是正することができた。マシン軽量化に向けて,インナーパネルを切削したりであるとか,ガラス面の一部ポリカーボネート化が紹介されていますが,全体として50kgの軽量化でありますから,ほかにも見直しを受けた(タマにかかわる部分かも知れません。)があるかな,と思います。


 それでも,いまだ100kgの重量差が存在しているのも確かです。ターボ・エンジンか,それとも自然吸気エンジンかという違いが,100kgに直結することになりますし,サスペンション・ジオメトリー面でも優位性を持っているS2000と互角に,となると,相当な熟成作業も必要になるのかな,と感じます。ただ,開発を担当している新井選手のコメントを読むと,それなりの手応えを感じているようですし,STIの担当エンジニアも同じようなコメントを残しています。


 まだまだハンディ戦,かもですが,富士重工の存在感を再び,と期待しています。