「上尾」が感じた距離は。

トップフライトも射程距離,だったと思うのですが。


 今季はある意味,仕方ないのかも知れません。好成績を収めていたリーグ戦も全日程を消化することなく終了となってしまっていますし,プレミアへのトップフライトが懸かった舞台も用意されることがありませんでした。それだけに,今季の「爪痕」を何らかの形で残したい,という思いは強かったのではないかな,と感じます。リーグ戦で,そして入れ替え戦で完結させきれなかった思いを,カップ戦で。そんなモチベーションが,このチームを動かしたのかな,などと思います。


 今回は,フットボールを離れましてバレーボールな話を,こちらの記事をもとに書いていこう,と思います。


 この記事が取り上げているチームは,“上尾メディックス”であります。


 いわゆる「実業団」的なネーミングではありませんから,たとえばバスケットボールで言う“リンク栃木ブレックス”のようにプロフェッショナルなチームなのかな,と思ってしまうところでありますが(ちょっと個人的にも思いました),ウィキさんに掲載されている正式名称,「AMG(=上尾中央医科グループ,という意味でありましょう。)女子バレーボール部」が示すように,基本的に実業団としてのスタンスは崩していないチームであるようです。


 そんなメディックス,今季は期するところあってチャレンジリーグを戦っていたのかな,と思います。トップフライトのチャンス,という意味では昨季もそのチャンスは引き寄せてはいるのです。ただ,プレミア昇格を賭けた入れ替え戦で昇格を逃してしまった。今季は何としても昇格を,と思っていただろうな,と感じるわけです。そんなアウトサイドの推察を裏付けてくれるかのような,19勝1敗という戦績。シーズン打ち切り,という事態なかりせば,と思わせるような戦いぶりだったように見えるのです。それだけにこの記事をまとめた記者さんも触れていますが,「黒鷲旗全日本選手権」で自分たちとプレミア勢との「距離」を体感しようとしたはずです。


 メディックスがこの選手権,最後に戦った相手はJTマーヴェラスであります。黒鷲旗を掌中に収めることになるチームですが,どんな手応えを得たかな,と思います。プレミアでも勝負権を持っているチームのひとつですし,マーヴェラスとの距離は恐らく,プレミアシップ(と言ってもFAバークレイズなプレミアシップでは当然ないですけど。)との距離と近いものであるはずです。


 マーヴェラスに退けられるわけですから,「何かが不足している」というのは当然だとして,その不足する要素を埋めるために何が要るのか。チームがさまざまなことを「感じた」だろうと思いますし,「考える」きっかけを得たと思います。そして,プレミア,という存在がより具体的なものになったとも思います。今季の流れをそのまま持ち込めるように,そして,黒鷲旗で体感した距離をしっかりと生かすべく,トップフライトを達成できるように。


 まだまだ気が早い話かな(シーズン終了からそれほど時間がたっていませんし。),とは思いますが,期待したい,と思います。