アジア5カ国対抗、オール・アウェイに。

慈善試合が開催された経緯を思えば,容易に想像できることではあります。


 さて。今回はひさびさに楕円球方面な話を,JRFUのリリースをもとに書いていこう,と思います。


 すっかり忘れかけておりましたが,2011年はRWC(ラグビー・ワールドカップ)本戦が開催される年でありまして。本戦を戦う前に,どれだけチームが表現すべきラグビーを表現できるか,実戦を通じてチェックするチャンスとして今季のアジア5カ国対抗は位置付けられるかな,と思うわけです。思うわけですが,「例の事故」の影響がここにも影を落としているのです。


 アジア・ラグビーフットボール連盟(ARFU)から,東日本大震災の影響を考慮して(となってはいますが,実際には福島第一の問題を念頭に置いたものでありましょうし,事故評価をINESスケールのレベル7へと引き上げた,という話が拍車をかけたのだろう,と。),秩父宮での開催を予定していた対スリランカ戦について日本開催を見合わせ,スリランカコロンボでの開催となった,ということであります。


 で,ベニュー変更後のスケジュールがリリースに掲載されているわけですが。


 見事なまでに,アウェイ・マッチであります。第1節は試合が組まれていないので,ギリギリまで国内調整が可能,というアドバンテージがある、とは辛うじて言うことができます。ただ,ここからは試合〜移動〜コンディショニング〜試合,というルーティンが3週間連続することになります。しかも,移動距離という問題が出てきます。第2節が行われる香港から第3節のバンコク,はまだ近い方で,バンコクからドバイ,さらにはドバイからコロンボに戻るわけで,トーナメントが終了するまで日本に戻る余裕はゼロに近い,と。いつもならば,「勝ち点3を奪取するのは当然」という書き方をするところですが,今季に関しては結果を重要視したい思いはあるけれど,同時に「どれだけ厳しい状態でらしいラグビーを表現できるか」が求められることになるかな,と見ています。


 確かに,厳しいスケジュールではあります。


 ですが,本戦はそもそもアウェイ・マッチですし,移動距離は短いけれど試合〜移動〜コンディショニング〜試合,というルーティンであることに違いはありません。あえてポジティブに見れば,チームに多めの負荷を掛けた状態で強化ができるとも言える。ぜひとも,このスケジュールでも「やれる」という部分を見せてほしいと思いますし,ここで得られた結果は本戦につながってくれるのではないか,と期待しています。