ハセミMS、突然の参戦休止。

何が,参戦休止を決断させた決定的な要素なのか。


 実際にリリースを読んでみましたが,アウトサイドから見えてくるものはありませんでした。ただ,少なくとも今季,ハセミMSのマシンがグリッドに並ぶことはない,と。


 今回は,オートスポーツさんのニュース記事をもとに書いていこうと思います。


 端的に言えば,実績あるレース屋さんです。


 ファクトリーか,それともプライベティアかという分類で考えるならば,確かにプライベティアなのですが,実際には,プライベティアと呼ぶべきではない時期もあったかな,と思います。たとえばグループA時代,GTS−Rを持ち込んでいた時期や初期のGT−Rを持ち込んでいた時期は,星野さんのチームと並んでワークス活動を支えるチーム,という位置付けだったように思います。ただ,GTS−R以来のカラーリングを考えると,日産との距離が感じられる,とも言えるのかも知れません。星野さんのところは,GTS−Rのときからカルソニック(いまはカルソニックカンセイ)で変更なし。日産との関係性が強いサプライヤーであります。対して長谷見さんのところは,リーボック・カラーでした。いわゆる「クルマ関係」ではないスポンサーであります。日産のレース活動を支える大きな要素ではあったけれど,距離感からすると,結構最初からプライベティアとしての意識が強かったのかも知れません。そんな傾向,GT500クラスからGT300クラスへと主戦場を変更する,という時期あたりからより強くなっていった,と言えるようにも思います。


 オートスポーツさんも触れているように,2010シーズンを支えてきたスポンサー,あるいはサプライヤーとの協力体制が構築できなかった,というのが理由ではないようです。ただ,チームを動かすことができなくなってしまった,と。


 この記事を読む限りでは,あくまでも今季の参戦休止は決定事項だけれど,来季に向けて参戦の可能性を模索する,とのことですから,「完全撤退」を意味するわけではないようです。ディフェンディング・チャンプ,ということはドライヴァ,チーム・クルーを含めてしっかりとした体制を持っていることを意味するはずですし,そんなレース屋さんがパドックから姿を消すのはいささかもったいない。比較的注目度が高いとされてきたGTでも,このような話が出てくるということに国内レースの縮小傾向を感じるところはあります(「中古車選手権」と呼ばれるほど,スポーツカーがリリースされていないという側面もあるし,環境などに配慮した,あるいは技術的な先進性をアピールするような技術規則ではないなど,レギュレーションの問題もあるかな,と思いますが。)が,やはり個人的には名門復活を,と思います。