HPD、ポディウム・フィニッシュ(セブリング12時間)。

ちょっと見ると,国産勢ではなさそうです。


 エントリー・リストを眺めてみても,国産を感じさせる単語が明確に,というわけではありません。しかし。略号を正式名称に戻してみると国産メーカとの関係性が感じられるのではないでしょうか。HPDを,“Honda Performance Development”と書き換えてみれば。スポーツ・プロトタイプと結び付きにくいメーカなので,意外に映る方もおられるか,とは思いますけどね。


 さて。今回はフットボール関連ではなくてオートスポーツさんのニュース記事をもとに,セブリング12時間の話などを。


 さてさて。ホンダとスポーツカーでありますが。


 オープンホイーラーにこだわりを持っているように思われるメーカですので,確かに直線的に結び付かないということもあろうかな,と思います。ですが,実際にはスポーツカー・レースに対して冷淡だったわけでもない,と思っているのです。たとえば,NSXであります。JGTC(スーパーGT)に投入されたNSXは童夢さんが手掛けたマシンでありますが,その前の話でありまして。ポルシェとの関係が深かったクレーマーとタッグを組んで,NSXをル・マンへと持ち込んだことがあるのです。


 ただ,このときと違うことがあるとすれば。


 ファクトリーとしての色彩をかなり抑えていること,でしょう。


 セブリングには,アウディスポルトプジョー・スポールという,正真正銘のワークス・チームも乗り込んできています。これまでのホンダならば,どちらかと言えばアウディ的,あるいはプジョー的なチーム構成だったように思います。JTCCにしてもJGTCにしても,「本気」を感じさせる体制へと移行したときのホンダは,レース屋さんのバックアップ,という姿をしていながらも,実際にはファクトリーな香りを強く感じさせていました。対して,北米を本拠とするHPDはあくまでも「技術支援」というスタンスを保持しているようです。あくまでも,レース屋さんの活動を側面から支えるのだ,と。この姿勢,個人的には好感を持っています。そして,セブリングを制したプジョーも,ファクトリーであるプジョーではなくて,カスタマーであるプジョーであります。ファクトリーの持つ華やかさもいいものですが,レース屋さんの持っている雰囲気もなかなかいいものです。スポーツ・プロトタイプはどこか,プライベティアとファクトリーがうまく共存できているように見える。そんな関係を長く維持してほしい,と思います。