スバル、ＷＴＣＣ参戦（か）。

これまでならば，富士重工だけで決定できたでしょうけれど。

　オートスポーツさんのニュース記事でも触れられていますが，トヨタの意向は無視できないでしょうね。確か，以前の記事ではトヨタ自身がＷＴＣＣ参戦に向けた可能性を探っていたとかいないとか。同じエンジン規定となるＷＲＣからの連想だった可能性もゼロではありませんが，それならば富士重がＷＲＣに戻る，という話の方がスマートに感じられもします。であれば，かえってトヨタがＷＲＣに，という話なのかな，などと思ったりもします。

　さっそくマクラ段階で記事を紹介してしまいましたが。

　ＷＲＣ撤退後，国際舞台から離れていた富士重工でありますが，新たな主戦場としてＷＴＣＣを考えているのではないか，という話があるのだそうです。今回はフットボールを離れて，このことを書いていこう，と思います。

　富士重工，と言えばＷＲＣであってラリー・フィールドであって。

　そんなイメージが強いだけに，レース・トラックでの活動を考えている，という話には少なからぬ違和感を感じもします。しますが，ファクトリーとして活動をしていないだけで，実際にはサーキットにボクサー・エンジンを持ち込んでいるのも確かです。ＪＧＴＣ時代を考えると，キャロッセさん（こちらもラリーでの知名度が高いプライベティアです。）がインプレッサをベースにＧＴ３００マシンを仕立てていましたし，そのときに搭載されていたエンジンは確か，ＷＲＣを戦っていたエンジン（ＳＴＩが手掛けたエンジン）だったと記憶しています。また，ＪＴＣＣにはシムス・レーシングがインプレッサのワゴンボディを持ち込んでいました。

　さてさて。スバルがサーキットに主戦場を変えると仮定して。

　ＷＴＣＣの車両規定を考えると，ＦＦかＦＲであることが求められるはずです。スバルがこだわってきた，シンメトリカルＡＷＤ技術をそのままサーキットで，というわけにはいかないのです。そのときにＦＦを選ぶのか，それともＦＴ−８６（トヨタとの共同開発になるスポーツカー）に使われる技術を次期インプレッサにも落とし込んでＦＲのホモロゲーション・モデルを仕立てるのか。重量面だけで考えるとＦＲはちょっとばかり不利なのですが，タイア攻撃性などの特性を考えると，ＦＲにもアドバンテージが出てきます。スバルがこのあたりをどう判断するか，であります。

　と，すっかり参戦が既定路線であるかのように書いておりますが，富士重工は参戦を認めても，あるいは否定もしていない状態であります。ＷＴＣＣのオーガナイズを担当するひと，あるいは富士重工がレース・オペレーションを依頼している（とされる）チームを代表しているひとが「まだ言えません。」ということで，ほぼ認めているような感じであるのに比べると，いささか慎重だな，と感じますが，富士重工が国際舞台，しかもオンロードに，というのはなかなかに楽しみです。早く（か）が外れてくれることを期待したいところです。