対神戸戦(11−01A)。

勝ち点1を確保していれば,印象は違ったかも知れず。


 それだけに,セットピースでの対応がもったいなかったですし,その前段階がよりもったいなかったな,と思うところです。どのように試合をマネージするのか,という部分でもったいなさを感じた試合であります。


 神戸戦であります。ありますが,今回は短めに思うところなどを。


 まずは,やはり「流れ」が傾いてきている時間帯に押し切れないと,ということかな,と感じます。そして,そのときにどのようなリスク・テイクができるのか,ということが求められるかな,とも。11スペックなフットボールは,比較的攻撃ユニットと守備ブロックがわかりやすい形になっています。どちらか,というニュアンスで言えば,ポジション・フットボール方向でしょうか。また,ピッチサイズを最大限に生かす形を意識してもいます。それだけに,11スペックとはちょっと矛盾するように感じられるかも,ですが,ポジション循環や流動性をどのように組み込むか,が鍵になるのかな,と思うわけです。
 今季型のフットボール「だけ」に意識が傾いてしまうと,最終的な局面での精度がそのまま決定力につながってしまうことになるし,相手守備ブロックを揺さぶる,という方向から考えても,「わかりやすさ」を提供することになりかねない。11スペックなフットボールを表現するために,11スペックとは違う要素を落とし込む要素もあるように,個人的には思うところです。


 もうひとつ。狙うフットボールは結構な変更を受けているわけですが,問題点となる要素にはそれほど大きな変化はないな,と思います。「距離感」であります。


 ボールを奪う,という局面でも距離感は大きな意味を持ちますし,攻撃を組み立てる,という部分でも当然,距離感は意味を持っている。鋭くボール奪取から攻撃へ,というイメージを持っているのであれば,チームがしっかりと上下動を繰り返せる状態を維持できないと,ボール奪取がスムーズに機能する,その基盤を失いかねないように感じます。攻撃ユニットは高い位置を維持したいけれど,ボール・コントロールを奪われたあとのことを思えば,守備ブロックはあまり高い位置を維持できなくなる。チームがコンパクトさを失ってしまうと,守備ブロックと攻撃ユニットを繋ぎ合わせるポジションであるセントラル・ミッドフィールドに大きな負担が掛かることにもなる。


 11スペックは,ウィングに意識を傾けているフットボール,ではありますが,チームの戦力的な重心は中盤に置かれているのも確かなこと,であります。このバランスを含めて,まだまだ潰していくべき要素はあるな,と感じるところです。


 「流れ」をつかみかけた時間帯が,確かにある。


 それは今季のフットボールが攻撃面で表現された時間帯であり,構築されつつあるストロング・ポイントでもあるのですから,大事にすべきなのは言うまでもないけれど,そのストロング・ポイントをより強くするためにも,PSMを含めて浮上してきた課題,潰すべき要素はしっかりと潰さないといけない。この過程で,継続できる要素と新たに構築すべき要素との交通整理(と言いますか,融合と言いますか)が進んでいくのかな,と個人的には見ています。