リーグ・チャンピオンシップを俯瞰してみる。

46試合が組まれるリーグ戦で,最大で28試合が消化されている。


 この段階で,スタンディング首位に立っているのはQPR(28試合終了・勝ち点53)であります。2位に付けているノウィッチ・シティも同じく28試合を消化していて,彼らとの勝ち点差は5。ここまでが,自動的なトップ・フライトを約束されるポジションであります。


 さて。今回はちょっとイングランドな話をちょっとだけ書いてみよう,と思います。が,プレミアな話ではなくて,その下部に位置する,リーグ・チャンピオンシップの話であります。


 ごく大ざっぱにリーグ戦の概略を書けば,24クラブが戦うホーム・アンド・アウェイのリーグ戦でありまして,スタンディング首位と2位のクラブは自動的にプレミアへと昇格,3位から6位までの4クラブはプレーオフへの進出権を得る,という形です。逆に,下位3クラブはリーグ1(つまりは,3部相当のリーグ戦)への降格を余儀なくされるわけです。


 で,阿部選手が在籍するレスター・シティはトップ・フライトの可能性を残しているかどうか,というのが興味の中心でありますが。


 リーグ・テーブル(ESPNサッカーネット)をもとに考えてみると,現実的な可能性としてはプレーオフへの進出権を確保できるかどうか,ではないかな,と見ています。レスターのポジションは現段階で11位(勝ち点39・28試合終了時)でありまして,プレーオフへの切符が用意される6位のポジションまでの勝ち点差は6,であります。
 ちょっと野球的な表現を使えば,2ゲーム差でありますが,楽観的な見方をするには厳しいものがある,というのも正直なところです。
 まず気になるのが,試合消化数の問題です。8位に付けているミルウォールはレスターと同じく28試合を消化していますが,ワトフォード,レディングにバーンリーは試合消化数が少ない。確かに,勝ち点差が詰まっている状態ではありますが,残り試合数の問題で距離を詰め切れない,という可能性も否定できない。そこで,どう戦うか,ということになるわけです。
 でありますが,ここにもちょっとばかり懸念材料がありまして。気になるのが,アウェイ・マッチでの戦いぶり,であります。勝ち点3を奪取したアウェイ・マッチ数では,10位のバーンリーを上回ってはいるものの,それでも3試合にとどまっています。最大の問題は,勝ち点を奪取できなかった試合が9に上ること,であります。レスターよりもポジションが上にあるクラブ,彼らとのアウェイ・マッチだったから,という見方もできましょうが,であるとしてもアウェイの戦績として望ましいものではない。この状態から抜けていかないと,トップ・フライトへの可能性は小さくなってしまう,と。


 ここから見えることとしては。


 当然ながら,アウェイで「勝ち点」を確保すること,でありましょう。29節以降の試合日程を見るに,アウェイであっても積極的に「勝ち点3」を奪いにいける試合日程だと思いますし,劣勢に立たされたとしても「勝ち点1」は確保することが求められましょう。アウェイでしっかりと勝ち点を拾っていけるかどうか,がトップ・フライトへの前提条件,という言い方でもいいかも知れません。
 そんな部分からレスターの2010〜11シーズンを見直してみると,12月下旬からの戦績は安定しています。このチーム・コンディションを崩さずに,シーズン終盤を戦い抜けば,いいところへと食い込めるはずだ,と(ちょっと楽観的に)見ています。最終的にはトップ・フライトへの道筋も見えるかな,と思います。