第48回(10〜11)ラグビー日本選手権(開催地決定)。

とは言うけれど。


 もうちょっと,近鉄花園と秩父宮「敬意」を払ったスケジュールであってほしい,と思いますね。秩父宮は,ラグビーフットボールという競技にとって大事な競技場である,と。であるならば,決勝戦の開催地として指定されるのは当然として,あまりにフィールドへの負荷が高まるようなスケジューリングをすべきなのかどうか。個人的には,疑問が残ったりするわけです。



 今回は再び楕円球方面に戻りまして,JRFUからのリリースをもとに,ラグビー日本選手権の話を書いていこう,と思います。


 このリリース,トーナメント・ドローの第1段階,という見方もできます。


 現段階において,日本選手権への出場権を確定させているのは,大学選手権のファイナリストである東海大,そして早稲田大だけであります。東海大が1回戦で対戦するチームは23日の全国クラブ大会決勝で確定することになりますし(つまりは,タマリバか,あるいはバーバリアンズか,ということですね。),早稲田大との対戦が組まれるトップチャレンジ・シリーズ1位チームについては,29日のトップチャレンジ1第3節を待たないと分からない,と言うのがフェアかな,と思います。第1節で先手を取ったのはNTTドコモ・レッドハリケーンズにホンダ・ヒートであります。彼らが第2節で直接対決となりますから,スタートダッシュに失敗したキヤノン,あるいはヴォルテクスにもチャンスが残っているわけです。
 また,選手権への切符を確保している,という意味で考えるならば,トップリーグのレギュラー・シーズンで4位までのクラブ(つまりは,プレーオフ・トーナメントへの切符を奪取したクラブでありますな。)が挙げられますが,プレーオフ・トーナメントが動き出していない段階ですから,どの位置にどのクラブが入ってくるか,はまだ確定させられない段階です。23日が終了した段階で見えてくる部分もあり,29日を待たないと確定できない枠があり,そして30日をもって確定する枠があり。どんな形で埋まっていくのか,という形ではあるな,と思います。


 さて,開催地の話に戻しますが。


 このリリースでクレジットされたのは,秩父宮近鉄花園だけ。集客力を持った「フィールド」,という意識で選択されたのでしょうが,日本選手権で秩父宮近鉄花園以外が使われるケースはほぼないような,そんな記憶もあります。決勝戦秩父宮で,というのは理解できるとして,準決勝の段階でも秩父宮が使われ,1回戦でも秩父宮が,というのはいささか秩父宮のフィールドに負荷を掛け過ぎではないかな,と思うわけです。
 秩父宮が大事な競技場であるならば,ウィンブルドンのように酷使してしまうのではなくて,決勝戦のために整備を重ねておくという選択もあるはずで,1回戦の段階で秩父宮を使う必要性は薄いのではないか,と思う部分もあるのです。ちょっとばかり不便かも知れませんが,ラグビー専用という意味では熊谷もある。もうちょっと活用してあげていい,と思いますし,国立霞ヶ丘を活用する,という考え方もあるか,と思うのです。日本選手権が開催される2月はJリーグ開幕を控える時期ですから,Jリーグ・クラブが使用予定である競技場を押さえるには難しい(ピッチ・コンディション維持,という側面から難色を示される),という事情があるのかも知れませんが,秩父宮にかかる負荷を抑え,秩父宮の権威を高める方向性でのアイディアを期待したいところです。