駅伝競走な三が日。

元日と言えば,国立霞ヶ丘。


 フットボールで考えると,こんな感じになりますが(相変わらず,鹿島なフットボールでしたね,鹿島は。),競技をフットボールから陸上,それも長距離に変えると,国立霞ヶ丘から群馬県庁から太田市役所の往復,ということになるかな,と思います。もうちょっと時間軸を広げてお正月三が日,と考えれば,群馬エリアだけではなくて,大手町・読売新聞社から箱根・芦ノ湖の往復,ということにもなるでしょう。


 ということで,さっそくフットボールとはまったく関係なく,まずは陸上な話を書いていこう,と思います。まずは,元日の全日本実業団であります。


 ここ数季,群馬県庁へ続くストレートまで勝負が決まらない(勝負権を持ったチームが複数,鍔迫り合いを繰り返しながら最終区に入っていく)という形が続いているように感じるのですが,今年のレースも結果として,ここ数季をトレースしたような感じです。
 優勝候補,その最右翼はトヨタ自動車という話があって,どうなのだろう(富士通や日清などが黙ってはいないだろう),という見方を個人的にはしていました。第1区から飛び出したのは長距離の名門・旭化成で,トヨタはいいポジションをキープする形でレースに入ってきた,という感じに見えました。が,旭化成は2区の段階で大きくポジションを落としてしまいます。今回のレース,勝負権を持っていると考えられる有力チームを眺めてみると,どうもこのポジションの落ち込みから無縁であったチームが見当たりません。日清食品グループにしても中国電力にしても,あるいは安川電機富士通にしても。その落ち込みが相対的に少なかったのは確かにトヨタであって,その意味では総合優勝に最も近い位置にあった,というのはフェアだろう,と思います。それだけに,最終区にまで優勝の行方がもつれた,というのは「落ち込みなかりせば」という仮定論を考えさせる結果でもあったかな,と思うところです。


 続いて,箱根駅伝であります。


 さすがは東洋,3連覇への意識がチームを動かしていたように思いますし,往路を奪った,その原動力だったように思いますね。とは言え,レースをどの大学が動かしていたか,と考えれば,第1区の段階で一気に飛び出していった早稲田であると言うべきでしょうし,復路も山下りの段階で首位のポジションを東洋から奪うと,しっかりとした布陣で往路を守っていった。さすがは出雲,全日本を制したチームだな,という印象を新たにしました。


 と,優勝争いも大事でありますが。


 個人的に注目していたのはやはり,自分の出身校がシード権を今季も確保できるか,ということでありまして。往路の段階では,さすがに厳しいかな,という印象を持たざるを得ませんでした。それでも,鶴見,戸塚と悪くないポジションだったわけです。これは,と思っていたわけですが,日テレさん言うところのつなぎ区間,戸塚〜平塚,平塚〜小田原でポジションを崩してしまって,箱根の山上りでそのポジションを動かせなかった,と。それだけに,復路が注目だったわけですが,どうもチームの重心は復路だったのかな,という感じもありますし,うまくポジションを拾いながらレースを組み立てていけたな,という感じであります。ところどころラジオ頼りだったり,そのラジオも聴けない状態ではあったのですが,そんな中でもいいレースを組み立ててくれたようです。
 最終区,それも大手町の決勝点に近付いた段階でTVを確認したわけですが,シードを争う勝負権を持っていたのは,確か4チーム。この4チームで,シード権を逃すのは1チーム,という厳しい状態でスプリントを誰が仕掛けるか,という形でした。仕掛けたのは,私の出身校。しかし。さすがに1回の仕掛けでグループを置き去りにできるわけではなくて,結果としては揺さぶりに反応する形でスパートを仕掛けたチームに再び抜かれるわけですが,それでも抜かれたあとにガタッと崩れることはなかった。シードを確保して,今季のレースを終えることができたわけです。


 優勝への勝負権を持ったチームも,確かに複数が割拠しているけれど,シードを争うチームも複数が割拠している状態になっている。過酷だな,と思う反面で,だからこそ歴史を積み重ね,関東ローカルでありながら全国区的な認知度を誇るレースとして存在し続けているのだな,と再認識させる,そんなレースでありました。