3回戦へ(第90回(10〜11)全国高校選手権)。

いよいよ,シード校の壁です。


 シードの壁にたどり着いたとしても跳ね返され,あるいはたどり着けず。そんな流れを振り切れるかも知れない,という戦いぶりを見せてくれているかな,と思います。さて,フットボールではありますが楕円球なフットボール高校ラグビーの話を書いていこう,と思っています。諸事情あって,まだゲームについてのエントリを上げていないのでありますが(遅筆堂の面目躍如で申し訳ないです),トーナメントは粛々と進んでおります。であれば,とりあえず速報的に書いていこう,というわけです。


 まずは,若狭高(福井県代表)と3回戦進出をかけて争った,正智深谷であります。


 MBSさんの試合情報ページを見ると,ごく立ち上がりの時間帯である,開始1分の段階で先制トライを奪取,コンバージョンも奪うことでゲームをどちらが動かすか,ある程度明確にした印象です。そして,前半終了段階で3トライ・1コンバージョンを奪取することに成功します。試合の動かし方,守備応対などに関していい流れを維持して,ゲームを折り返すことができたのではないか,と感じるところです。後半開始後,最初のトライを奪ったのも正智サイドだったのですが,若狭も反撃に転じ,1トライを返してくるわけですが,正智深谷は若狭の反発力を効果的に抑え込みながらトライを積み重ね,3回戦への切符を確定させることになります。


 次に,石見智翠館高(島根県代表)とのゲームに臨んだ,深谷であります。


 こちらのゲームは、先制トライを奪取するまでの均衡状態が思うよりも長かった,という感じであります。初戦では,早い時間帯で先制トライを奪えているわけですが,そんな図式に持ち込むことはできなかった,と。ただ,試合をどちらが最初に動かすか,という部分で深谷はしっかりと自分たちから試合を動かしていきます。前半終了時で深谷は,2トライ・1コンバージョンのアドバンテージを築いてゲームを折り返していきます。また,後半開始後,最初のトライを奪ったのも深谷でありました。であれば,しっかりとした守備応対を繰り返すことで,無失点でゲームを終えることも意識されたか,と思うのですが,石見智翠館も反撃をトライへと結び付けてきます。ただ,石見智翠館サイドから見れば,反撃を仕掛け始めた時間帯は残念ながら遅過ぎた,と言うべきかも知れません。結果,石見智翠館を1トライに抑えた深谷が,3回戦へと駒を進めることになります。


 さてさて。いよいよシードとの直接対決であります。


 正智深谷は,流経大柏高(千葉県代表)とのゲーム,深谷は伏見高(京都府代表)とのゲームが,第1グラウンド(トップリーグなどでも使われる,一般的にイメージする近鉄花園,でありますね。)で戦われることになります。シード校,確かに実力的な部分で「明確な僅差」があるかも知れませんが,その僅差を「僅差」のままで収めることができるか,それとも「絶望的な距離」の伴った僅差として感じてしまうことになるか,試合への入り方で大きく変わってくるように思うのです。
 過去,埼玉県代表はシードとの対戦で「自分たちのラグビー」を見失ってしまったようなところがあるな,と思い出します。対戦相手に対する敬意は必要不可欠な要素ではあるけれど,敬意が「恐れ」につながってしまったのか,らしさを表現できるまでの時間があまりに長くなり過ぎた。そんな轍を再び踏むことのない,いい試合を期待したい,と思います。