ラファの去就は。

前任指揮官の印象が,良くも悪くも強過ぎるのでしょうな。


 強烈な個性でチームを引っ張る,という印象を外部に与える一方で,意外にもメンタルな部分でのハンドリングは緻密なのだとか。そんな指揮官と比較すれば,個性が見えにくいところはあるかも,と。ではありますが,しっかりと個性は表現したのでは,と思うのですがね。


 今回はひさびさに欧州方面な話を,こちらのニュース記事をもとに,ちょっと書いていこうか,と。


 ある意味,歴史的であったFCWCでありますが,そんなトーナメントを制したインテル・ミラノ。そのコマンダトーレが,ラファエル・ベニテスさんであります。ありますが,どうもモラッティ会長との関係がよろしくないのだとか。確かに,FCWCではカップ奪取を達成したものの,リーグ戦ではスタンディング首位であるACミランとの勝ち点差は13ポイントであり,リーグ戦での戦績を考えれば,ということのようであります。


 ちょっと思い出してみるに。


 リーグ戦を巧みに戦う,と言うよりは,カップ戦でその個性を発揮する感じがあるかな,と思います。リーガ・エスパニョーラでは,タイトル奪取を経験しているものの,どうもプレミアシップでの印象が強いのかも知れません。イスタンブールでの歴史的な決勝戦を例に引くまでもなく,カップ戦で勝負強さを発揮してきた反面で,どうしても“CHAMPIONS”という称号に手が届かなかった。チームの持つポテンシャルだったり,実際に表現しているパフォーマンスを思えば,リーグ制覇への勝負権を持っているような感じはあったのだけれど,パフォーマンスが安定して表現できない。そのために,スタンディングが思うよりも上がっていかない。アンフィールドダッグアウトを仕事場としていた時期も,クラブ・サイドとの関係が悪化したとかしないとか,そんな話が浮かんでは消え,やはり浮かんで,という循環を繰り返していたし,結果としてアンフィールドを去ることになったわけです(では後任がしっかりとハンドリングしてくれたか,といえば,結果はネガティブなんですけど,それはそれとして)。
 で,この印象をサン・シーロでもきっちりとトレースしてしまった,ということになるでしょうか。FCWC制覇が潮目になるのかな,と思ったのですが,どうも潮目は変わらない,というか,むしろ悪化したのかも知れません。英語なメディアを斜め読みする限り,ラファも「現段階での」解任を否定はしているけれど,解任という形がまだ確定していないだけというようなニュアンスにも受け取れるので,どうもクラブの動きは解任に傾いている,ように映ります。


 もちろん,最後まで事態の推移を見ないことには分からないわけですが(ウェイン・ルーニーの一件も結局はユナイテッドに残るという結論に落ち着いたわけですから),後任候補としてローマの監督を務めたことがあるルチアーノ・スパレッティさんやACミランの監督を経験された(と言いますか,ACミランの副会長でもあったと書くべきか)レオナルドさんの名前が出てきているくらいですから,仮にこのまま指揮を,となったとしてもなかなか大変なのかな,と思うところです。