1にM。

不思議と,02ターボが思い浮かびますね。


 ひとつひとつのディテールを見れば,モダンBMWの文法を踏襲したものとなっています。リア・コンビネーションランプのレイアウトなど,上級車種との共通性を感じさせる部分もあるし,Mの血統にあることはエグゾースト・フィニッシャーが示しているようにも感じます。でありますが,このMを決定付けるフェンダー・フレアは意外に,02ターボのディテール(リベットで止められたオーバーフェンダー)を思い起こさせるものがあるように感じるのです。



 今回はフットボールを離れまして,webCGさんのニュース記事をもとに,BMWの1シリーズに追加された,Mモデルのことをちょっとだけ書いていこう,と思います。


 BMWのスポーツ・レンジであるM。


 個人的にはE30型に設定されていたM3が最も印象深いモデルですが,そんなモデルのイメージもどこかに引き継いでいるように感じます。正確に表現するならば,E30型のM3はセダンとクーペのハイブリッド,と表現すべきモデルです。レーシング・ユースに最適化するべく,Cピラーの角度を変更するモディファイを実施,オリジナルなセダン・ボディと比較してウィンドウを寝かせる(リア・スポイラーへ流れるカゼをスムーズにする)ようにしたのです。対して,レーシングな環境から逆算されたわけではない1シリーズは,クーペ・ボディを最初から採用しています。と,大きな違いがあるわけですが,実際に並べてみると意外に共通項がある。クーペに強引にでも近付こうとしたM3と,2ドア・セダン的な居住性を,クーペ・ボディであっても追い求めようとした(と受け取れる)1シリーズと。その共通項は02ターボあたりまで手繰っていくことができるように,個人的には感じられるのです。


 ボディ・サイズを冷静に考えると。


 現代的なDセグメントは,ちょっと前のEセグメント相当にまで大型化しているかも知れない,と感じるところがあります。衝突安全性など,クルマに要求される要素が多くなっている,その裏返しかも知れませんが,いささか大型化が進み過ぎているように感じるところが,個人的にはあるのです。3erであったりCクラスがジャストサイズだと思っていたものが,実際にはちょっと大きくなっている。スポーツな部分を意識すると,大型化は決して望ましいことばかりではありません。高い操縦性をもったモデルならば,走っていて大きさを感じるケースは少ないけれど,速度域が下がれば,そして市街地に踏み込めば,物理的なサイズはどうにもなりません。オープンロードにしても,十分な道幅をもった場所ばかりがあるわけではありませんし。であれば,モデルレンジとしては下かも知れないけれど,意外な最適解が用意される可能性は決して低くない。


 この1シリーズのMは,ひさびさに最適解なスポーツモデルかな,と思うところです。