月曜日のリリースに思うこと(追記)。

CPを意識したのか,それともB/Cバランスか。


 いずれにしても,そんな要素と天秤に掛けられたのだとすれば,2008シーズンに感じた限界は何だったのだろうな,と。かなり,「浦和のフットボール」は安く見積もられていたのだな,と。開発費用も掛かるし,時間も掛かる。そういう覚悟もなく,「浦和のフットボール」,レッズ・スタイルなんて言葉を軽く使っていたのかな,と。「戻るべき場所」が失われて,「個」だけがむき出しになったようなフットボール。浦和が狙う,描くべきフットボールを再構築しなければならない,という危機感はどこに行ったのか。


 最初は書かないでおこうと思ったことですが,やはり書いておこう,と思います。


 コスト意識で何とかできるほど,フットボールは甘くない。


 工業製品だって,R&Dを蔑ろにするような会社で良質な商品を生み出せるのか,考えてみれば分かるはずです。そして,R&Dを機能させようと思えば,どれほどの「投資」が必要なのか,も。フットボールの素人であろうと,この程度の想像力は持っていてもらいたい。
 もうひとつ,付け加えさせてもらうならば。
 デザイン・テイストを同じくする責任者を,とリリースからは読める。では、明確にどのようなデザイン・テイストを持っているのか,的確に説明できるのでしょうか。一貫した方向性を持ち,このような流れの中でどのような上積みを図りたい,そのためにはこうしたい,という「クラブとしての」意思が。その意思は,少なくとも藤口さんのときには明確だった。では,藤口さんが持った危機感,意思はクラブ全体に共有されていたのでしょうか。橋本さんに引き継がれたのでしょうか。フットボール・クラブにとって最も重要な柱である,「どんなフットボールを狙うのか」という部分が。


 「戻るべき場所」を本気で構築しようと思えば,西洋医学的な要素も必要になるけれど,当然に東洋医学的な要素,体質改善も重要な要素となってくるはずです。その体質,ファースト・チームの体質ではなくて,ファースト・チームの活動を最適化するためのクラブ・フロントの体質も当然に含まれるはずです。


 月曜日のリリースから透けるのは,処方された漢方薬,その苦みに耐えかねたのがクラブ・サイドだろうこと,相変わらず体質改善は積み残しになったままであること,でしょう。