伏兵スパーズ。

まさかここまで,と思ったひともおられるかな,と。


 グループAを冷静に眺めれば,混戦が予想できるようなグループではない。と言って,マッチレースが展開されるとも感じられない。そんな予想外な展開(かも知れない)であるマッチレースになっているのですから,イングランドびいきとしては喜ばしい限り,であります。


 今季,欧州カップ戦を主戦場としているトットナムでありますが,グループAで首位に立っております。そんな話をスポーツナビさんのニュース記事をもとに,ちょっと書いていこう,と思います。


 過去の戦績を思えば,失礼ながら「中堅」以外の言葉が思い浮かばないフットボール・クラブ。


 同じノース・ロンドンをホームとするものの,ホワイト・ハート・レーンよりもちょっとだけ南に下がったハイブリー(現在はアシュバートン・グローブ)に本拠地を構えるガンナーズに対して,強烈なまでの対抗心を持ちながら,その対抗心が高いレベルでぶつかり合う,という状態になかなかならなかった。獲得してきたシルヴァーウェア,その総数は言うに及ばず,どれほど安定した成績を残してきたか,という部分においても彼我の差は大きい。
 中堅,という言葉からなかなか抜け出ることができなかったのは確かだけれど,反面でポテンシャルを持っているクラブ,という意識は常にあったように思うのです。チャンピオンシップに手が掛けられるのではないか,という期待感を持たせるだけの戦力的背景が「中堅」と呼ばれていた時期にあっても感じられた。であれば,「何かのきっかけ」があれば,と思わせるものはあった。


 それだけに,欧州カップ戦への切符を奪った,というときも,個人的にはそれほどの違和感はありませんでした。むしろ,いままでが予想外だったのだ,と思うくらいで。
 とは言いつつも,今季の欧州カップ戦での戦いぶりは,やはりなかなかのものだな,と思います。上昇気流をしっかりとつかんできているな,と。グループリーグは4節を終了した段階ですが,ここまで本拠地開催でのゲームを落としてはいません。何より大きいのはやはり,スポーツナビさんの記事でも取り上げられていますが,インテルとのホーム・ゲームを制したこと,でありましょう。また,グループリーグ初戦はブレーメンとのアウェイ・マッチでありましたが,ここで「勝ち点1」を確保する形で立ち上がれた,というのもひとつの鍵だったかな,と感じます。「勝ち点3」という収穫よりも小さいのは言うまでもないけれど,欧州という舞台でも戦える,という手掛かりをモノにするには,決して小さくない収穫だったのではないかな,と思うわけです。


 残る2節,スパーズがどのような戦い方を見せ,セカンド・ラウンドへの切符を奪取に行くか。すごく楽しみであります。