GSX−Rにブレンボ。

いままで使っていなかったのが,不思議でもあります。


 今回はフットボールを離れまして,ひさびさにバイクな話をサイドリバーさんのニュース記事をもとに,ちょっとだけ書いていこうと思います。


 このニュース記事を読んでみますと,ブレンボはGSX−R600と,750(2011モデル)用に,新設計のブレーキ・キャリパー供給を開始する,とのことであります。欧州市場でのR750のプロモーション・ページを見ても,技術的な特徴として,新採用となったこのキャリパーが紹介されています。


 ちょっと考えてみるに,GSX−Rが本格的に「扱いやすさ」を意識した設計方針へとシフトしてきた,ということではないかな,と感じます。


 絶対的なストッピング・パワーだけを意識するのであれば,必ずしもブレンボでなくとも,という考え方もできるか,と思います。けれど,ブレーキというのは単純に「止まれば」いい,というものでもないような気がします。微妙なコントロールをしたいな,と思う場面で,しっかりと追従してくれるコントロール性がないと,どうしても車体にギクシャク感を出してしまったりします。4輪でもギクシャク感はネガティブな影響を与えるものですが,2輪だとそのネガはもっとはっきりと出てくるはずです。制動力だけでブレーキを評価するのではなくて,コントロール性など,どれだけ扱うひとの意思に寄り添ってくれるか,という部分もライディング・フィールにつながっていくように思うのです。
 スズキはエンジン特性をライダー自身がスイッチで任意に選択することのできる電子ディバイスを早い時期から投入するなど,「扱いやすさ」を意識したマシン設計へと移行しています。バイクを扱いやすく感じさせるためには,確かにエンジン方向からアプローチすることも大事ですが,車体全体の「扱いやすさ」を考えれば,エンジンだけが重要な要素,というわけではありません。ディメンション(シャシー・エンジニアリング)もそうですし,サスペンション・セッティングも重要な要素として位置付けられる。そして,ブレーキも。


 ブレンボは,確かにストッピング・パワーでも定評のあるメーカですが,コントローラビリティでもかなりの評価を受けるメーカです。ポルシェやフェラーリ,あるいはドゥカティが上級機種にブレンボを採用している,その理由は,絶対的な性能だけでなく,そのコントロール性にもある,と思うだけに,2011モデルがどのような感じに仕上がってくるか,ちょっと楽しみでもあります。