CSのことなど。

細かい部分が,試合を分ける要素になってしまう。


 どんな競技であっても,多かれ少なかれ“ディテール”が流れを左右するのは確かですが,野球は特に,些細な要素が流れを動かす要素になってしまうな,と感じます。いわゆるレバタラ論でありますが,ライオンズが第1戦,しっかりと試合をクローズすることができたとすれば。厳しい局面で,ミスを誘発するようなことがなかったならば。マリーンズにはっきりと流れが傾く,ということはなかったかも,と思ったりします。


 もちろん,そのディテールでミスを誘発したことで,マリーンズに第1戦の流れを譲り渡すのみならず,心理的な優位性までを譲り渡したことになるわけですが。
 さて。フットボールを離れまして,野球な話をちょっとだけ。


 ポスト・シーズンであります。素朴な疑問がどうしても付きまとうレギュレーション,ではありますが,試合そのものはやはり,緊張感にあふれたものになるし,確かに引き込まれるものはあるな,と思うところです。で,本拠地での戦いとなる埼玉西武は,第1戦を優位に戦っていた,はずなのであります。リードをしっかりと積み上げながら,ゲームを終盤にまで持ってきてもいました。そのリードを,守り切ることができず,流れを譲り渡した。逆転,という部分にまで持ち込まれはしなかったものの,強烈な反発力を真正面から受ける形になってしまった。このダメージは相当に大きいものだっただろう,と思いますし,第1戦の落とし方はポスト・シーズンそのものに大きな影響を,と思わずにはいられないものでした。
 であれば,第2戦の入り方は,相手に譲り渡してしまった流れを,必死になって取り戻そうという意識を感じられるものではあったのですが,問題は試合中盤かな,と思います。2イニング連続で抑え込まれたあとに,得点差を詰められてしまう。しかも連続イニングで,間合いを詰められるかのように。


 このことを反対側の千葉ロッテから見れば,第1戦のイメージがポジティブに影響しているのだろうな,と思うわけです。小さなきっかけだろうと,そのきっかけをつかむことができるならば,決して追い付けない得点差ではない,と。第1戦のような“ビッグ・イニング”ではなかったにせよ,着実に相手に対するプレッシャーを掛けることはできてもいる。大きな流れ,という部分で,千葉ロッテは流れを手放したわけではなかった,ということになるでしょうか。


 2戦先取,という文字通りの「短期決戦」であり,第1戦の重要性が第2戦に大きな影響を及ぼした。
 あくまでも,アウトサイドが見れば,でありますが,「流れ」の怖さ,と言いますか,重要性を痛感させられた試合,ということになるか,と思います。