2連勝なケーヒン・コハラ。

開幕戦の筑波,第2戦の鈴鹿と“ミスファイア”な印象がありましたが。


 鈴鹿8耐が,大きな転換点であったように感じます。名称には「耐久」という言葉が入ってはいますが,現実的に考えるならば,スプリント・レースがほぼ8時間にわたって継続されると見ていい,過酷なレースであると思います。そして,鈴鹿8耐でもともとケーヒン・コハラというパッケージが持っている実力が発揮された,と感じるところです。


 それにしても,ほんとにラスト・シーズンなのでしょうか。


 勝負に対して執着しなくなったからラスト,というのであれば,序盤戦でリズムをつかみきれなかった時点で引退時期が早まってしまっていたかも知れません。むしろ,逆方向です。序盤戦を不本意な形で終わってしまって,その不本意な流れのままでシーズンを終えるわけにはいかない,という強い意思を感じますし,勝負強さを感じるわけです。



 ラスト・シーズンというエントリで扱いましたが,ケーヒン・コハラの主戦ライダーである,伊藤真一選手であります。今回は代表戦もありますが,あえてフットボールからは離れて,ケーヒン・コハラさんのレース情報ページをもとに,ちょっと書いていこう,と思います。


 伊藤選手,と言いますか,ケーヒン・コハラが主戦場としているのは全日本の最高峰,JSB1000クラスであります。2010シーズンは筑波での開幕戦にはじまり,鈴鹿での最終戦で幕を閉じる,全7戦で戦われる選手権であります。そのうち,第1戦と第2戦を不本意な形で終えてしまい,第3戦ではポイントを獲得した(実際にはレース中止に伴い,ハーフポイントにとどまっています。)ものの,チャンピオンシップを争う,という観点からすればいささか大きく出遅れてしまった,という印象だったわけです。
 この印象を覆すきっかけとなったのが,予選段階から安定した戦いぶりを見せ,決勝でも2位を獲得することになった鈴鹿8耐,というわけです。実際,鈴鹿8耐後に開催された第4戦,SUGOで今季初の優勝を飾ると,続く岡山国際での第5戦においても首位を奪っています。見事にポジティブな流れを引き寄せてきたな,と感じます。さすがに,経験豊かなライダーだし,勝負強さを存分に見せてくれているな,と思います。


 5戦終了時点でポイント・スタンディングは7位。残るラウンドは第6戦のもてぎに,最終戦鈴鹿(このラウンドは2レースをこなすことになっています。)であります。シーズン終盤にかけて,この流れを引き継ぐことができるかどうか,そして,(ちょっとアウトサイドの過ぎた皮算用ですが)ラストと自ら位置付けたシーズンをチャンプとして終えるのか。すごく,興味深いシーズン終盤になってきているな,と思います。