徒然に、日曜日のことから。

不思議と,節目には駒場だな,と感じます。


 さらに思うのは,駒場をプロフェッショナルとしての玄関口にしたわけではないフットボーラーなのだけれど,不思議に駒場の雰囲気に溶け込んでいた,ということでしょうか。
 彼の浦和におけるキャリアを思えば,中野田がホームであるはずですし,むしろ駒場は反対側のロッカー・ルームの印象が強いかも知れません。なのに,浦和のロッカー近くから姿を現してくれたとき,どこか,浦和でキャリアを刻みはじめた,さらには駒場でキャリアを歩みはじめたフットボーラーを見るような,不思議な感覚にとらわれました。


 代表戦も控えていますが,ちょっとだけ書いておこう,と思います。


 ゆっくりと,丁寧に,丁寧過ぎるのではないかな,と思うほどに丁寧にあいさつをしている阿部選手を,ちょっとだけ離れた位置から見つめていました。ありがとう,という思いと同時に,苦しい時期を過ごさせることになってしまったのかも知れないな,という思いがどこかにあったし,カップととともに競技場をまわっていく,という形が1回では少な過ぎたよな,という思いが同居してしまっていたのです。
 恐らく,言葉をかけるのであれば,「ありがとう。」という言葉になるのかも知れないけれど,「ありがとう。」という言葉だけでは足りないような。


 確か,ACLを制覇したときのヴィクトリー・ウォークだったでしょうか。


 阿部選手が持っている,もともとの個性とでもいうのでしょうか。そんなものを見せてもらったような気がします。そのあと,スポーツ・メディアにはサポータから受け取ったものでしょう,ゲート旗を誇らしげに掲げている姿が掲載されていたか,と思うのですが,あのような姿が,1回だけにとどまってしまったことは,「やり残したこと」のように,どこかに引っ掛かっているのです。


 阿部選手がどう感じてくれているか,は分からないけれど。


 まだ,ちょっとだけ「書きかけ」を残しているような感じがするのです。であれば,浦和を追い掛けるフットボール・フリークの我儘だとは思うけれど,そして,将来のことなんて分かりもしないけれど,いつか,この「書きかけ」を完結させたい,させてほしいな,と思ってしまうのです。
 もちろん,その前段階として,トップフライトをぜひとも,と思っています。レスターというクラブをトップフライトに導く,というのもその通りだと思うし,レスターで存在感を示すこと,そこからさらなるステップを上がっていくことも同時に期待しています。オフィシャルにオファーを出しはしなかったとしても,調査をかけたクラブは恐らくあるはず。そんなクラブに,存在感を見せ付けてやってほしい,と思います。チャンピオンシップ,という舞台ももちろん魅力的だけれど,プレミアシップの存在感は確かに違う。イングランド最高峰の舞台を貪欲に狙ってほしい,と思っています。


 「がんばれ。」なんて言葉は恐らく不要でしょう。言わなくとも,パフォーマンスを出し渋るようなことはないはずだから。望むことはただひとつ。イングランドの,というよりもUKのフットボール・フリークに,”ABE”というフットボーラーを強烈に印象づけてほしい,と思っています。