2010〜11なトップリーグ。

どうしても,昨季の「悪夢」を振り払いたいな,と。


 レギュラー・シーズンは安定した成績を残すのだけれど,どうしてもあと一歩,が届かない。清宮さん的な表現をするならば,プレーオフ・トーナメントを戦い抜くためのストーリーに,どこかちょっとした綻びがあるような。そのために,相手に「らしさ」を抑え込まれるようなところがある。であれば,レギュラー・シーズンでプレーオフへの出場権を確保する,という要素は当然の前提として,プレーオフ・トーナメントにおいてどのように加速態勢を築くか,自分たちの表現したいラグビーに相手を引き込むか,という要素がさらに厳しく問われるのかな,と。


 今回は,フットボールでもラグビーフットボールな話を,こちらのニュース・リリース(トップリーグ・オフィシャル)をもとに書いていこうと思います。


 さて。冒頭に書いたのは,ワイルドナイツであります。


 恐らく,今季においてもリーグ戦の軸を構成するチーム,そのひとつであることは間違いないところでありますが,昨季までの戦績を冷静に眺めてみると,レギュラー・シーズンに問題を抱えているのではなくて,むしろトーナメントで最終的な結果を引き寄せきれていない,という要素が見えてくるか,と思います。ごく大ざっぱに言ってしまえば,自分たちのラグビーを表現すると言うよりも,相手が表現したいラグビーにどういうわけか乗ってしまう,という部分を感じるところがあります。今季,この壁を打ち破れるかどうか,が注目点のひとつかな,と思います。そして,今季もレギュラー・シーズンで優位に戦いを進めていくためには,初戦でチャンプを打ち破って,リーグ戦へのリズムをつくっていきたい,と。


 当然,リーグ開幕節でワイルドナイツと対戦するブレイブルーパスも,初戦の段階で相手を叩いておきたい,と考えているはずです。レギュラー・シーズンは全13節のリーグ戦であって,決して長期戦ではありません。それだけに,ひとつのゲームの重要性は相対的に高いし,開幕節でしっかりとした加速態勢をつくることで,リズムに乗った状態でリーグ戦を戦えることにもなります。チャンピオン,という称号を守ることと同時に,レギュラー・シーズン首位にしてトーナメントを制するという「完全優勝」を狙うならば,決して軽視できるゲームではありません。


 リーグ戦の軸は,ブレイブルーパスワイルドナイツだけではありません。


 ラグビー日本選手権のファイナリストである,ヴェルブリッツも優勝を狙いうる立場にあると感じていますし,ブレイブルーパスと同じく府中を本拠地としているサンゴリアスも勝負権を保持しているはず。昨季のトップ4でありますが,このトップ4に食い込むような形になるチームがどこになるのか,も注目していきたいところです。


 今季の昇格組は,シャイニングアークス(NTTコミュニケーションズ)に,シャトルズ(豊田自動織機)であります。彼らがどのような戦い方をするか(=リーグ戦において,ダークホースという立場へとなり得るかどうか),という部分も含めて,ラグビーフットボールにも注目していこうと思っております。