対名古屋戦(10−18A)。

ちょっと,もったいないパッケージかな,と。


 ビルドアップ段階での分厚さを意識しているのかな,とは思うけれど,ビルドアップからフィニッシュへ,という局面で考えてみると,せっかくのパッケージが有効活用されていないような印象を持ちます。縦,と言ってもそのものズバリの「縦」が多くて,斜め方向の「縦」が使い切れていない。さらには,フィニッシャーとしての能力を持っているはずのフットボーラーが構えているのに,フィニッシュで活かせない。


 1日遅れ,ではあるのですが,この時期の「お約束」には勝てず,限定的な印象にとどまっております。であればメンタルを含めた内容面に踏み込むのではなくて,ちょっとだけ数字な雑感を書いてみよう,と思います。


 いまの主戦パッケージである,4−2−3−1。


 個人的にもったいないな,と思うのは,トップとアタッキング・ミッドフィールドの関係性であり,もうひとつはSBとアタッキング・ミッドフィールドとの関係性であります。
 縦方向で考えると,ダブル・アウトサイドをどう構築するのか,という部分がいまひとつ不明確な部分がありますし,この要素がアタッキング・ミッドフィールドとトップ,という関係性にも関わっているように感じます。アタッキング・ミッドフィールドが中盤で吸収されてしまっている,時間帯によっては中盤でもかなり低い位置でビルドアップ初期段階に関与する形になってしまっていて,トップとの距離感が適切な距離に維持できる時間帯がそれほど多くつくれていない,そのときにSBがポジション・ブレイクをして高い位置を取れると,トップとの距離感を保持できるのだけれど,アウトサイドでのポジション循環がスムーズとは言い切れない。


 あくまでも数字な話,ではありますが,フィニッシャーとしての意識に引き付けるという意味で,4−3−3的に意識付けするのも一策ではなかろうか,と感じるところです。


 トップとアタッキング・ミッドフィールド,というよりはウィンガーとの距離感がつかめると,ステーションがもっと生きてくるように思うのです。ボールをステーションへと預けて,そのリターンを再び収める,という時間がまだ相手守備ブロックを断ち割るタイミングに一致しているとは感じられない。距離と,時間が縮んでくると,戦術的なステップを踏めるような感覚はあるのだけれど,ここで「確信」が薄い,という部分に戻る,と。


 ウィンガーをどのようにして,10シーズンなフットボールの武器にするか。そんな視点が見えてくると,局面打開への道筋も見えてくるような感じを,個人的には持つのです。