対神戸戦(10−17A)。

ちょっと,誤解を受けそうな表現をしますが。


 中途半端な「おまかせ体質」に映ります。


 ポゼッションが,相手を崩す初期段階として機能している,局面打開のきっかけを探すために機能している,というよりも,結果的に誰かに局面打開のスイッチを入れてもらおう,という感じのプレーになっているように映るし,パスを受ける側もスイッチを自分が入れてやる,という意識を持ってボールを呼び込む動きを仕掛ける,というよりも,単に自分が受けやすい形でボールを呼び込んでいるだけのように映ってしまう。パスを繰り出す側が,スイッチを入れてくれるのだろうから,自分がスイッチを持っているわけではない,というような。おまかせでは,いまのフットボールは機能しないと「理解」はしているのだろうけれど,理解が実際のプレーに結び付くまでには至っていない。


 そのために,中途半端な「おまかせ」フットボールにとどまってしまう。これでは,ショートハンドを活かせるわけもない。


 まいど1日遅れ,な神戸戦でありますが,試合の話以前の問題があるような感じです。そんな話を。


 ビルドアップ段階でミスを誘発する。プレッシャーに気圧されている,という見方もできるかも知れません。
 知れませんが,個人的にはテニス用語ですが,アンフォースト・エラーというフレーズが最も合っている,と思います。「どのタイミングで攻撃リズムを強めるスイッチを入れていいのか,迷いが生じている」という感じがするし,パスを繰り出す側も受ける側も,攻撃のスイッチを持っている感覚が希薄なのかも知れない。迷いが絡んでいるから,パスに意思を込めようにも込めるべき意思が明確にならない。何らかの悪循環,だと思いますが,その悪循環がかなりの段階に進んでしまっているのではないかな,と。誰かにまかせていては機能しないフットボールなのだけれど,結果としてまだ,誰かに局面打開をおまかせしていたフットボールの感触がある。スイッチを入れてやる,という意識も,スイッチを持っているという確信も薄いから,「使い使われる」の連鎖がそこかしこで突っ掛かるし,そもそも「使い使われる」がキレイに機能しない。
 この状態で,相手のショートハンドをフィニッシュに結び付ける,というのは難しいでしょう。「使い使われる」が機能しないと,基盤である約束事も表現できないのだから。


 個人的には,もっと「エゴ」を出せ!と思います。悪循環を断ち切るのはオレだ!と。


 冷静過ぎるし,淡泊過ぎるように見えるのです。誰もが,「このチームを動かしているのはオレだ!」,という意識を持って,ピッチで徹底してイメージをぶつけ合うくらいでないと,と思うのです。


 ちょっと見ると,単なる(ネガティブな)エゴに見えるけれど,「勝ち点3」を奪う,という目標そのものは明確なのだから,同じ方向を見ている限りにおいて,決して全面的に否定されるべき要素ではない,とも思うのです。「オレ」のスタイルが,チームとしてのフットボールを構築する要素なのは間違いないのだから,枠に押し込めるのではなくて使いこなしてしまえばいい。
 いま求められているのは,基盤は基盤として大事だけれど,その基盤を本格的に機能させるのは,吹っ切れた「エゴ」の連鎖なのではないか,などと思ったりします。