対京都戦(10−15A)。

先制点,という先手を打つまでにちょっとだけ,時間がかかったけれど。


 それでも先制点を奪ってゲームを動かせた,というのは大きな要素だったように感じます。


 まいど1日遅れ,でアウェイな京都戦について,ちょっと思うところなどを短めに。


 機動性もかなりの水準で要求するけれど,それ以上に的確な状況判断を強く求めるフットボール(だろう,と思うですよ。完成形には相当な距離がありそうですが。)であることを考えると,戦術的なイメージでちょっと混乱をきたしているかも知れない,というタイミングで,バランスが取れていた時期と同じような機動性,あるいは流動性を基盤とし続けるのは(理想は理想として位置付けるのはいいとしても)厳しい,と思うところがあります。
 それだけに,啓太選手がスターターとして戻ってきたタイミングが,結果として効果的だったのかな,と思ったりします。


 ちょっと,ひさびさに数字絡みの話をしますが。


 啓太選手がスターターに戻ることで,基礎的な4の守備応対が再認識されたかな,と思うのです。


 2009シーズン以降,狙ってきているフットボールはミッドフィールドを含めての守備ブロックを固定するのではなくて,流動化させながら同時に守備的な安定性を狙う,という方向性であるように感じています。今季ベースで考えるならば,阿部選手,あるいは細貝選手「だけ」に守備面での役割を固定するのではなくて,局面に応じてどちらかがセンターバックとのコンビを組む,と。
 ただし。攻撃面に意識が傾きすぎてしまうと(,というような局面では攻撃面が手詰まりだったりするのですが。),どうしてもセントラルとセンターバックとの距離が広がってしまう時間帯が出てくる。最も厳しい時間帯では,センターバックのコンビだけで,カウンターを仕掛けてくる相手への守備応対を,という形になってしまう。自分たちで,4の難易度を猛烈に引き上げてしまっているような形になってしまうわけです。


 チームに関わるさまざまな条件が比較的整っていた時期にあっても,このようなネガティブを時に見せてしまっていたわけですから,チーム・コンディションが低下してしまっていたり,戦い方への確信が揺らいでいる,あるいは物理的なコンディションが厳しくなっているタイミングで,流動性を持たせながら守備的な安定性を狙うよりは,もうちょっと役割整理をすることで,守備的な安定性と攻撃面とのバランスを取る方がいい。
 指揮官的には,このような形は必ずしもファースト・チョイスではないかも知れないし,積極的に選択したパッケージではないかも知れないけれど,少なくともアウトサイドから感じることとして,フットボールをちょっとだけシンプルにして,役割を整理することでチーム,と言いますか,ひとりひとりの選手に対する「過負荷状態」(フィジカルな部分と,インテリジェンスな部分と両方で。)が軽減されたかも,と思うのです。


 先制点を奪取するまでに時間がかかっている,という部分では,まだ自分たちのフットボールへの信頼感,というか,確信を取り戻しきってはいないのかな,と感じるところはありました。とは言いながら,先制点によって流れをつかんでからの戦い方は,相手のコンディション(メンタルな部分での不安定性,でありましょうか。)も作用しているとは思うけれど,イメージを取り戻すきっかけにはなるだろうな,と感じます。
 何はともあれ,「勝ち点3」という手掛かり,足掛かりを再び手にすることができたのは大きな収穫でありましょう。