FIFA視察団、中野田へ。

どういう競技場へと進化するのか,楽しみですね。


 FIFAスタンダードを考えると,サイドスタンドの改修は必要不可欠になるでしょう。
 さらには,メインスタンド,バックスタンドに架かるルーフを,形状面(サイドスタンドのルーフとの整合性を取るなど),材質面(半透過膜の透過性を変化させる,場所によっては透明性を確保するなど)から再検討することが必要になってくるかも知れません。


 今回は,日刊スポーツさんのニュース記事をもとにしながら書いていこう,と思います。


 日刊さんの記事では触れられてはいませんでしたが,犬飼会長のコメントではVIPスペースやロッカールームの拡張などを計画しているとか(2002当時のFIFA基準だと,現在はちょっと手狭,ということになるのでしょうか。どんだけ「えらいひと」がうろつくのか,想像できますな)。
 また,えらいひとのことはさておいて,フットボーラーにかかわる部分をちょっと想像して書いてみると,恐らくウォーミングアップ・スペースをどのようにして確保するか,も改修内容に含まれてくるか,と思います。ダッグアウト背後のスペースが十分に確保されている,とは言いにくいところがありますし,必要最低限の改修で対応するということになると,恐らくはゴール裏のエリアを人工芝に改修する,あるいはピッチをちょっとだけ広げる改修を施すことでウォームアップ・エリアを確保する,という形になろうかな,と思います。


 とは言いながら,現段階では「皮算用」に過ぎない話です。招致活動に成功して,実際に開催へと動きださないと,恐らくは中野田改修,ということも動きだす話ではない。そこで,最後にちょっとだけ,今回の招致計画についても書いていきますと。


 JFAサイドが拠点として位置付けている大阪エリア,この計画にしても不透明な部分がいささか多いし,既存の競技場をどのようにして最新のFIFA基準に合致させていくか。そして2002では積み残された課題でもある,国立霞ヶ丘,と言いますか,東京エリアでの競技場確保をどのように考えるのか。競技場を,「遺跡化」させないために,どのような事前事後の計画が求められるのか。サラッと考えるだけでも,結構な課題が出てくるのも確かです。


 FIFAにしてもIOCにしても,そしてIAAFにしても,トーナメント終了後のことまでを考えているわけではありません。ある意味,ある一時期だけ,「間借り」しているに過ぎないにもかかわらず,彼らはトーナメント規模から積算した基準を用意している,と見るべきでしょう。となれば,FIFA基準に合致させるにしても,「削れる」部分は削ってしまえるようにする,という発想をしてもいいはずです。神戸ウィング,と言いますか,ホームズでの発想を,もっと徹底してしまっていいのではないか,と思うのです。
 パーマネントに使える(使いたい)部分と,テンポラリーにしてしまってもいい部分を,最初から分けてしまう。
 VIPスペースやロッカールームなど,ACLでも同様な基準が設定されていますから,メインスタンド方面に設置される施設は,パーマネントな形になり得ます。となると,どの程度の観客収容数を「コア」に設定するか,がひとつの鍵になりましょう。たとえば,長居球技場の改修に踏み切ったセレッソ,というわけにはいかないでしょうが,新たなスタジアムを検討しているとされるガンバサイドに対して将来的な本拠地に,と交渉できるか(ガンバのリクエストをもとにして,具体的な観客収容数の設定が可能になるはずです。),などによって,大阪市民のひとたち,あるいは大阪府のひとたちに対するアピールが違ってくるのかな,などと思っています。