レーシング・ボルボ、岡山へ。

“フライング・ブリック”。あるいは「空飛ぶレンガ」。


 この言葉から個人的にイメージするのは,まずグループA時代の240ターボであります。あとになって知ることでありますが,1985年シーズンにボルボを走らせていたのは,エッゲンバーガー。のちに,グループAの傑作マシンであるフォード・シエラ・コスワースを仕立てることになるレース屋だったのであります。
 あとはやはり,BTCC時代の850でありましょうか。BMWにせよアルファにせよ,あるいはボクスホールにせよ,クラス2に持ち込んできていたのはセダン・ボディだったのですが,参戦初期のボルボインパクトを狙ったのか,それとも空力面でアドバンテージを狙ってか,ワゴン・ボディでのBTCC参戦を決断してくるのでありました。確かにBTCCでは空力付加物の装着は許可されていなかった(そのために,特別仕様を仕立てて空力付加物が標準装備,という体裁を取るメーカが多かった)ために,エステートの長いルーフを利用して,というのも理解できない話ではなかったのですが,アルファが物議を醸すようなエアロ・ディバイスを持ち込んだことで,空力付加物を許可する,という方向性へと変化します。確か,ウィングなどが認められたシーズンにセダンへと切り替えられたか,と。


 と,レースと無縁,というわけではないボルボでありますが。


 今季は岡山でのラウンド(オートスポーツweb)に,その姿が見られるようであります。今回は,フットボールを離れまして,モータースポーツな話を。



 ちょっとボルボのニュースリリース(英語)も読んでみたのですが,2010シーズンのWTCC参戦は,確かに将来的なWTCC本格参戦に向けたテスト・プログラム,その一環であるようです。ここまでのシーズンでは1ラウンドだけスポット参戦をすることで,どれだけのパフォーマンスを発揮できているのか,実戦を通じて距離感を測ってきていたようで,今季についてはその評価回数を増やしてきた,ということのようであります。


 現在,WTCCに参戦しているメーカは,セアト(フォルクスワーゲン・グループでありますな。)にシボレー(とは言うけれど,実際にはかつてのボクスホール,と言うかオペル),それにツーリングカー・レースに熱心なBMWだけでありまして,オーガナイザー的にも参戦を考えてくれるメーカは歓迎したいところでありましょう。トヨタも,ポストF1として検討対象にしているとかいないとか,ウワサがあるカテゴリでもありますし,注目度は上昇気配,と言うべきでありましょう。
 ボルボは着実にWTCC参戦へと歩みを進めつつある。個人的には,トヨタや日産,あるいはマツダなどの参戦,などというアナウンスを期待してしまいます。