セダンもWRX。

WRCからの撤退が,「不本意」だっただろうこと。


 ハッチバック・ボディを見ると,そんな想像をしたくなります。


 WRC参戦に関して,パートナーシップを組んでいた技術屋集団“プロドライブ”のアドバイスが,GC系のディメンション設定に影響を与えていた,と言いますから,同じことがGE系でも言えるのかな,と。それだけに,決してフラット・エンジンに対して大きなメリットがある,とは言えない車両規則があるにせよ,開発速度が思うように上がっていかなかったこと,タバコに対する風当たりが強くなったことでのフィナンシャルな厳しさなどが打撃だったな,と思ってしまうのです。


 ただ,WRCからの撤退は悪いことばかりではないのかも,などと思ったりします。


 グループA,という車両規定からある意味,自由になったあとのM3のように,競技という縛りから離れ,スポーツ・モデルとしてWRXを意識することができる。となれば,出発点でもあるセダン・ボディが戻ってくるのは道理,かも知れません。



 ハッチバックでも欧州車的な,なかなか落ち着いた色調の塗色を用意してくれておりましたが,ノッチバックで同じ塗色,となりますと,さらに落ち着いた雰囲気を漂わせますな。エグゾーストなどのディテールを見ると,落ち着いているだけではないことが,明らかでありますが。ということで,今回はフットボールを離れましてwebCGさんのニュース記事をもとに書いていこうと思います。


 GCやGDの血統を引き継いでいるのは,やはりノッチバックなのだな,と思うデザインであります。実用性,という部分を思えば,ハッチバックも決して悪くない選択肢だと思います。欧州市場では,恐らくフォルクスワーゲンプジョーシトロエンなどと真正面からぶつかることになりましょうが,そのときの武器としてはノッチバックよりもハッチバック,という判断もあったでしょう。個人的にも,決して悪くないデザインだと思うのですが,“WRX”というコードネームから想像するクルマの形は,ちょっと違うな,と思ったのも確かです。「原点回帰」と言われれば,確かにその通りだな,と思うところです。
 もうひとつ言うならば。開発スタッフは,空力面でのアドバンテージがある,との説明をされているようですが,高速域でのメリット,というよりも,個人的にはもっとシンプルに,ちょうどいいサイズ,ちょっと前のセグメントD相当のスポーツ・セダンがひさびさに市場に投入されたな,という感想を持ったりするわけです。


 さて。先行して投入されているWRXと同じく,エンジンは2系統だそうです。2000cc(ツインスクロール・ターボ,マニュアル・ギアボックス)に,2500cc(シングルスクロール・ターボ,オートマチック・ギアボックス)が用意されるとのことです。
 カリカリのモデルをひさびさに(クラッチのあるクルマは希少種となっているし,ひさびさにあの感触を),と思ってしまうところもありますが,日常から付き合えるスポーツ・セダンとして考えるならばATモデルも一策かな,と思いますし,スバルのひとたちにはロボタイズド・ギアボックス(要はDSGですか。)を投入してもらえるとさらにうれしいのですが。AT的に扱えても,ATとは違ったダイレクトな感触が感じられるといいのですが,と,お願いしたいところであります。