トヨタ、WRC復帰か。

原点回帰だと考えれば,不思議でも何でもなく。


 むしろ,ずいぶんと遠回りをされたではないですか,と言いたい感じです。個人的な趣味の問題もありますが,無理にフォーミュラ1へと参戦していく必要性は薄かったのではないかな,と思うのです。グループCやグループAの頃から思っていたことですが,トヨタは不思議とリソースを効率的に使えていないような印象が強かった。その重大な例外が,WRCであったと思っているだけに,得意分野から離れることはないのに,と思っていたのです。


 いよいよ戻ってくる,かも知れません。


 さて。今回はフットボールを離れて,モータースポーツな話を短めに書いていこうと思います。
 オートスポーツさんでは,欧州方面でトヨタがWRCに復帰を画策している,という話が出ているそうで,そのパートナーとしてはスバルとの関係で有名になったプロドライブ社が挙がっている,ということであります。


 フォーミュラ1からの撤退以降,トヨタに関してはさまざまな観測が流れています。ただ,共通するのは市販車との距離感がより近いカテゴリへの参戦を意識している,という部分であります。もちろん,実際にレースへと投入されるマシンは,「市販車」としての姿をとどめているとしても,純然たるレーシング・マシンであり,距離感が近いわけもないのですが,実際に市販されているクルマとおなじ,あるいは共通項を強く感じさせる,というのは特に欧州市場におけるプロモーションには有利に働くように思われます。
 そこで,WRCであります。日本市場で考えると,オーリスよりも小さくて,でもヴィッツよりはちょっと大きめなボディを調達できるならば,そして1600ccのターボ・チャージドを用意できるならば,少なくとも出発点は用意できることになります。そして,実際のマシン開発にあっては,ケルンのファクトリーが実戦から離れていたことをカバーするために,プロドライブの協力を仰ぐ,と。スバルにも面白いウワサがある(資本提携関係があるだけに,WRCでバッティングするのは避けたいでしょう。)だけに,どこまでトヨタが本気で動くのか,というのは憶測の域を出ないだろう,と思いますが,トヨタがWRCで示してきた存在感を知っている立場としては,どこかで期待をしてしまう話ではあります。