プラン通り(S.Korea v. Greece - Group B・#1)。

先制に,中押しに。


 ちょっと,野球的な表現になっておりますが,少なくとも早い時間帯での先制点奪取は,韓国が描いてきていたはずのゲーム・プラン通り,と言って差し支えないものと思います。


 グループBの第1戦,韓国とギリシアの試合であります。「祝祭」の側面も持っている真剣勝負でありますし,細かく書くのではなくて,ごく大ざっぱに感じたところを軽めに書いてみようと思っております。


 さて。韓国であります。


 冒頭でも書きましたが,ゲーム・プランにごく早い時間帯で乗せることができた,というのが最も大きな要素である,と思います。このゲーム・プラン,当然相手が違うのですからディテールに違いはあるにしても,基本的には中野田での国際親善と同じ構造だったな,と思います。相手からリズムを奪うために,徹底したプレッシングを仕掛け,縦にシンプルな攻撃を仕掛けていく,と。立ち上がりからラッシュを掛けて,早い時間帯で先制点を奪うと,ブロックを崩さないこと,反対に相手のブロックを縦方向に引き延ばしていくような守備応対で相手を焦らし,カウンターを狙っていく。このプランに,しっかりとギリシアを乗せることに成功したな,と感じるわけです。


 対して,ギリシアでありますが。


 ユーロを制したときと同じく,監督はレーハーゲルさんでありますから,基本線として守備的な安定性を意識しているのだろう,とは思うのですが,どうも不安定さをみせているな,と感じます。相手の仕掛けるプレッシングに戸惑っていた,という見方もできるかな,とは思うのですが,プレー・スピードを自分たちの速度に持っていけなかったことが,相手のプランに乗せられてしまった,ひとつの要素かな,と思うところがあります。この試合では,ボールホルダーがボールをコントロールして,というタイミングで相手のプレッシングを受けてしまっていました。相手の基本的な戦い方は変わっていなかった。中野田のゲームをしっかりとチェックしていれば,最も注意しなければならない時間帯は見えていたはずです。自分の形でボールを持てない,という部分が形を崩すきっかけだったか,と思うのですが,それにしても韓国のプレッシングに対して,どのように対応していくのか,それほど綿密なスカウティングをしていなかったのかも知れない,と思ってしまうところです。


 もうひとつのグループB第1戦は,アルゼンチンが「イタリアンなスコア」で勝ち点3を奪取,韓国とアルゼンチンが先手を取った形になっております。この,先手を取った2チームが第2戦で直接あたるわけで,ここでどのような戦いをしてくるか,がグループリーグの流れを決める,ひとつの要素であろうと思われます。「勝ち点3」を狙いに行くのは当然として,「1」へとコントロールする必要が出てくる局面があるか否か。そのときに,どちらのチームがより巧みにギアチェンジをできるか。かなり,面白い試合になりそうだな,と思うところであります。