遅れてきたリアリズム(対横浜FM戦・グループリーグ最終節)。

状況が導いたリアリズム,かも知れないけれど。


 どこか,今季のファースト・チームに不足しているかも,と思っていた要素を見せてくれたように思います。意図して表現していなかったのだとすれば,今度は「自然と」リアリズムを表現できるようになること,がチームにとってのステップとなるでしょう。ということで,グループリーグ最終節であります。


 今回は,攻撃面とか,守備面とはちょっと違う部分をちょっと短めで。


 勝ち点3を「積極的に」奪取に行く意味があるスタンディングでなかったのは確かです。試合のなかった前節の段階で,決勝トーナメント進出への道は断たれているわけですから。
 ではありますが,「勝負事」でもあります。スタンディングがどうなのか,あるいは試合についてのモチベーションがどうなのか,ということよりも,目の前にしている相手に対して,「勝負を挑む姿勢」を押し出していくことが求められる,と。「勝ち点3」に対する積極的な意味が見出しにくい状態ではあっても,少なくとも「負けたくない」という思い,勝負事ならば当然の思いを押し出すことはできる。
 この思いが,結果として現実主義的な戦い方へと結び付いたのかも知れないな,と思うわけです。


 対してふと思うに。相手はどこかに「隙」を生んではいなかったか,と。


 モチベーションが失われているに違いないチームなのだから,与し易いはずだ,と。しかも,リーグ戦にあっては「勝ち点3」を確保し続けることのできている相手でもある。そんな意識が,どこかで「勝負事」という根っこの部分を意識させにくくしていたのかも知れない,と感じます。シンプルに,勝負事にこだわってきた相手に対して,どこかで後手を踏むような形になったのかも,と。


 現実主義的な戦い方。と言っても,試合を進める意識の問題,と言いますか。


 本来の主戦場であるリーグ戦は当然でありますが,ナビスコカップにあってもファースト・ラウンドはリーグ戦(ラウンドロビン)であります。相手との相対関係でポジションが決まるわけです。そのときに「勝ち点1」を獲りにいく姿勢が,今季のチームからはあまり感じられなかった,と思うわけです。フットボール・スタイルを熟成させる,という方向に意識が強く傾きすぎて,フットボールの「勝負事」な側面はちょっとだけ,意識が薄くなってしまったような。この意識,今節はちょっと,勝負事方向だったのかも,と思うわけです。


 自然に,狙うフットボールが表現できるようになったときに,今節表現した要素は効いてくる。
 勝負にこだわる,という姿勢があれば,「勝ち点3」を奪取できないとしても「勝ち点1」を抑えることができる,かも知れない。そして,「勝ち点1」が最終的なポジションで意味を持つことも,当然ながらにある。ゴール,という部分が欠けていただけに,手放しで,というわけにはいかないのも確かですが,決して悪くない中断前のゲームではなかったか,と思うところです。