東都大学野球入替戦。

野球という競技には,ギャンブル性がある。


 確かにそうかも,と思うところです。どんな競技であっても,「細部」を大事にしないといけないのは当然ですが,野球だとその細部(一瞬,と言い換えてもいいかも知れません。)が流れを決定付ける要素になったりするから,そのことを「ギャンブル」と表現するのかも,と思いますし,攻撃面で言うならば,HRで流れをスッと引き寄せられる,ネガティブに流れがちだった空気を大きく変えられる,という部分もギャンブル的,と言えるかも知れません。


 にしても,であります。厳しい短期決戦でありました。


 東都大学野球リーグ,その入替戦であります。1部リーグ6位に終わった立正大と,2部リーグで首位を奪った青山学院大とで1部リーグでの座を争う,全3戦の短期決戦であります。


 となるとやはり,出身校である青山学院を基準に見てしまいます。


 初戦を制した,というスポーツ・メディアの記事を目にしたときは,このままたたみ込んでしまえば,と思ったのは確かです。長引かせて,相手に流れを渡してしまうよりは,つかんだ流れを離さないように。であれば,第2戦が重要なゲームになったな,と思っていたわけです。


 でありますが,実際には第2戦で追い付かれた。厄介なことになったな,と感じました。もともとチャレンジする立場であるはずが,追われるような心理状態になりかねない立場に追い込まれかねないわけですし,相手はチャレンジを跳ね返すべき立場ではあるけれど,追うものの心理で最終戦を戦えるかも知れない。立場が逆転してしまうと,1部で厳しい試合をしてきた経験が生きてしまうかも,と。


 そんな外野の懸念は,見事に外れてくれたようであります。


 第3戦の試合記録(東都大学野球連盟オフィシャル)を見てみると,いい形で試合を進められたことが感じられます。初回という段階で先制点を奪い,中間点のイニングにはビッグ・イニングをつくる。被安打数を見れば5にとどまり,失点は0。しっかりと投打がかみ合った試合を展開してくれた,と。


 さて。1部復帰を果たしたわけですが。ここからが大事だな,と。復帰したからには,ここからワンシーズンごと,1部での戦績を積み重ねていくこと,優勝を争う勝負権を持ち続けることが,大事なことだな,と思うのです。「古豪」という呼ばれ方ではなく,「強豪」と呼ばれ続けるチームであってほしい,と強く思うところであります。