スーパー耐久にGT−R。

Gr.Aでは「計算通り」だったBNR32


 でありますが,市販車状態がモノを言うGr.Nでは「計算外」だった要素が出てきます。ブレーキであります。市販車状態でも,追い込むとドリル部分から亀裂が走る,などという話のあったブレーキですが,レース・トラックでは明確に「弱点」となってしまいます。Vスペックを投入するきっかけとなったのは,このブレーキ問題もあったように聞いています。


 さて。スペックVではすでに,カーボンセラミックブレーキが装着されています。レース・ディスタンスでの耐久性,という要素があるとは言え,レース車両を仕立てるとすれば軽量化は必須要素。重量面での負荷はちょっと下がるはずですから,スペックVの投入,ということになりましょう。・・・車両規則的に,カーボンを使えないとなれば,基準車のロータということになりましょうけども。


 さて。今回はフットボールを離れまして,モータースポーツな話をオートスポーツさんのニュース記事をもとに,ちょっと書いていこうと思います。


 ごく簡単にこの記事を要約しますと,スーパー耐久第4戦にGT−Rをファクトリー体制でテスト参戦させる,とのことです。SGTとは違って,ファクトリーが前面に立たない(実質的にはファクトリーとの関係性を感じさせるチームは確かにあるけれど。)カテゴリ,という意識を持っているだけに,ちょっと違和感を持ったりもしたのですが,要はFIA−GT1への参戦と同じく,将来的にレース車両を販売するための布石,とのことです。


 思うに。Gr.N(実際には,空力ディバイスを装着しているので純然たるGr.Nではないけれど)にBMWやポルシェが参戦してきている,ということが日産にとっては大きな刺激となっているのではないか,と。FIA−GTに参戦していくにあたっての動機も,欧州メイクスと真正面から勝負を挑むことができる,当然,その勝負からGT−Rが持つパフォーマンスを証明する,という部分があったはずですし,この動機付けは確かにスーパー耐久にあっても成立します。


 BMWやポルシェに対して,どれだけの勝負権をGT−Rが持っているか。熟成初期段階ではあるとしても,ある程度の距離感はつかめるはずです。楽しみにしたいと思います。