連覇とここから(A5N)。

確かに,連覇も重要な目標ではあります。


 ありますが,そのレベルで満足しているわけにはいきません。あくまでも,意識すべきはRWC本戦であります。RWCの舞台でラグビー・ネイションズとの真っ向勝負を挑むための基盤は,このトーナメントで見えているな,と感じるところですが,粗削りな部分があるように感じますし,戦術的な徹底度にも濃淡があるとも感じます。粗削りな部分,濃淡がある部分を丁寧に修正,熟成していくのがこれから,ということになりましょう。


 フットボール,ではありますが,楕円球な話を短めに。


 最終戦は,秩父宮での香港戦であります。A5N連覇(=RWCへの切符奪取)についてはほぼ確実,と見てはいましたが,初戦から第3戦にかけて,前半段階での失点,というのがちょっと気になっていました。積極的にリズムを奪いに行きながら,自分たちの簡単なミスからリズムを相手に譲るような形で逆襲を受ける,というのが,「その先」を意識するにあたっては気になる隙だな,と感じていたわけです。


 最終戦にあっては,相手をコントロールしてハーフタイムを迎えられた。トーナメントで明確になってきた課題を同じトーナメントで修正,クリアしてきたというのは収穫として評価すべきだろう,と思います。
 ラグビーフットボールは比較的,実力差が試合に反映されやすい競技ですし,このトーナメントでは細かいミスが試合を決定付ける要素へと変化する可能性は低いだろう,とは思います。実際,試合を決定付けるようなミスにはならなかったわけですが,戦術的な意識,そのバインドがイージーミスによって緩んでしまうことは,相手がどのような実力を持つチームであろうとも,ウィークポイントを曝すことになります。リズムをつかんだら離さない。そういう意識でプッシュを掛けていきたいだろう時間帯に課題が見えた,と言うべきでしょう。


 いささか失礼な言い方になりますが,格下だからミスが出た,というのではなく,格下であろうとも,潰すべきミスは潰していく,という姿勢を最終戦,連覇に向けてのハードルが比較的低かった試合で出すことができた,ということが大きいかな,と思います。どれだけ,ここから煮詰めていけるか,楽しみであります。