Finally Fixed.

サプライズ,と言えばちょっとサプライズ,のような。


 とは言いつつも,概して言うなれば想定範囲内,でありましょうか。スポーツ・メディア的には,どの部分にフォーカスしていいのか,ホントに困るリストであろうな,とは思いますけど。
 さて。JFAからのプレス・リリースであります。スコッドとして登録できるのが23でありますから,バランスを取ったり,あるいは突出した部分をつくろうとしても,理想通りというわけにはいかない数字であります。


 と,ちょっとだけ好意的な視点も使いつつ,リストを眺めてみますと。

2010FIFAワールドカップ 南アフリカ
キリンチャレンジカップ2010(5/24 vs韓国代表@埼玉ス)
SAMURAI BLUE(日本代表)メンバー

【スタッフ】
団 長

大仁 邦彌 ダイニ クニヤ DAINI Kuniya
【(財)日本サッカー協会 副会長】


監 督

岡田 武史 オカダ タケシ OKADA Takeshi
【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】


コーチ

大木 武 オオキ タケシ OKI Takeshi
【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】

大熊 清 オオクマ キヨシ OKUMA Kiyoshi
【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】

小倉 勉 オグラ ツトム OGURA Tsutomu
【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】


GK コーチ

加藤 好男 カトウ ヨシオ KATO Yoshio
【(財)日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ】

   

【選 手】

Pos.
WC出場歴 選手名(アルファベット表記)
生年月日 身長 体重 所属 国際Aマッチ出場/得点


GK

98/02/06 川口 能活 カワグチ ヨシカツ KAWAGUCHI Yoshikatsu
1975.08.15 180cm 77kg ジュビロ磐田 116/-104

98/02/06 楢粼 正剛 ナラザキ セイゴウ NARAZAKI Seigo
1976.04.15 187cm 80kg 名古屋グランパス 75/-73

川島 永嗣 カワシマ エイジ KAWASHIMA Eiji
1983.03.20 185cm 80kg 川崎フロンターレ 8 -6

   

DF


06 中澤 佑二 ナカザワ ユウジ NAKAZAWA Yuji
1978.02.25 187cm 78kg 横浜F・マリノス 102/17

田中 マルクス闘莉王 タナカ マルクストゥーリオ TANAKA Marcus Tulio
1981.04.24 185cm 82kg 名古屋グランパス 37/7

06 駒野 友一 コマノ ユウイチ KOMANO Yuichi
1981.07.25 172cm 76kg ジュビロ磐田 51/0

岩政 大樹 イワマサ ダイキ IWAMASA Daiki
1982.01.30 187cm 85kg 鹿島アントラーズ 2/0

今野 泰幸 コンノ ヤスユキ KONNO Yasuyuki
1983.01.25 178cm 73kg FC東京 34/0

長友 佑都 ナガトモ ユウト NAGATOMO Yuto
1986.09.12 170cm 68kg FC東京 23/3

内田 篤人 ウチダ アツト UCHIDA Atsuto
1988.03.27 176cm 62kg 鹿島アントラーズ 31/1


MF


06 中村 俊輔 ナカムラ シュンスケ NAKAMURA Shunsuke
1978.06.24 178cm 70kg 横浜F・マリノス 95/ 24

02/06 稲本 潤一 イナモト ジュンイチ INAMOTO Junichi
1979.09.18 181cm 75kg 川崎フロンターレ 79/5

06 遠藤 保仁 エンドウ ヤスヒト ENDO Yasuhito
1980.01.28 178cm 75kg ガンバ大阪 91/8

中村 憲剛 ナカムラ ケンゴ NAKAMURA Kengo
1980.10.31 175cm 67kg 川崎フロンターレ 45/5

松井 大輔 マツイ ダイスケ MATSUI Daisuke
1981.05.11 175cm 64kg グルノーブル(フランス)  22/1

阿部 勇樹 アベ ユウキ ABE Yuki
1981.09.06 177cm 77kg 浦和レッズ 42/3

長谷部 誠 ハセベ マコト HASEBE Makoto
1984.01.18 177cm 66kg VfLヴォルフスブルク(ドイツ)  28/ 1

本田 圭佑 ホンダ ケイスケ HONDA Keisuke
1986.06.16 182cm 76kg CSKAモスクワ(ロシア)  12/4


FW

06 玉田 圭司 タマダ ケイジ TAMADA Keiji
1980.04.11 173cm 67kg 名古屋グランパス 68/16

大久保 嘉人 オオクボ ヨシト OKUBO Yoshito
1982.06.09 170cm 73kg ヴィッセル神戸 46/5

矢野 貴章 ヤノ キショウ YANO Kisho
1984.04.05 185cm 76kg アルビレックス新潟 17/ 2

岡崎 慎司 オカザキ シンジ OKAZAKI Shinji
1986.04.16 174cm 76kg 清水エスパルス 25/16

森本 貴幸 モリモト タカユキ MORIMOTO Takayuki
1988.05.07 180cm 75kg カターニャ(イタリア)  3/1


※GKの「得点」は失点数


 スコッドを固める,というタイミングになって,それでもちょっとだけリアリストの側面を見せたかな,と思います。アジア段階では意識に置いていないかに装っていた(ように映る)「高さ」を意識しているように思いますし,理想を追うかのような目標設定を語っていた一方で,実際には相当に現実的な戦い方へと軸足を移す気ではないかな,と感じます。1998年当時,指揮官がことあるごとに口にしていた目標,あの目標から恐らくは,そうブレてはいなかったのだろう,と感じるわけです。
 チームに機動性を求める。恐らくは,絶対的な基盤ではありましょう。日本はこれから,機動性「だけ」を徹底するにはあまりに厳しい気候条件へと移っていきますが,本戦を戦う地は逆に,気温が低い時期に入っていきます。意識してきた基盤を,生かせる条件にはあるでしょう。ただ,機動性を背景にしたフットボールだけで,フットボール・ネイションズとの勝負権を持てるかどうか,という部分を考えているのかな,と。機動性は守備応対に振り向けられてしまうだろうし,そうなるとワンチャンスの重要性がどうしても増してしまう,と。ボックス近くの勝負をどのようにして結果へと結び付けていくか,という要素はどうしても意識しないといけない。クラブ・レベルで考えると,いささか「・・・」なフットボールという方向に意識が行きますが,あくまでも結果を意識するべきチームであることなどを思えば,落としてはいけない要素を落とさなかった,という見方もできます。


 なんてことを考えていくと,分からぬでもないスコッド,ということになるのでしょう。


 個人的な嗜好からすれば,とか,エクストラ・キッカーがちょっと多いのでは?だとか。あるいはクラブ・オリエンテッドなことを言ってしまえば,などなど,いろいろと思うところはありますが,もはや“アウトサイド”なことを言っているタイミングではありません。追い掛けているクラブが主戦場とするリーグ戦,そのリーグ戦の権威を背負って戦ってくれないと困るわけです。納得できるかどうか,なんて話ではなくて,リーグを侮られることのないような戦いをさせないといけない。間違っても,権威を落とすような戦いをさせるわけにはいかない。


 トーナメントであれば,高みを陥れない限りにおいては,いつかは負けて南アフリカを去ることにはなるわけです。であれば,ファースト・ラウンドを通過してほしい,という思いは当然に強く持っているわけですが,同時にどのようにラウンドロビンを戦っていくのか,という戦いぶりに注目していきたい,と思っています。
 どれだけしっかりと戦えるか,はどれだけ納得して戦いの舞台を去れるか,にもつながっていくように思うのです。明確に爪痕を残すような戦い方を期待したい,と思います。