対清水戦(10−09A)。

「勝ち点0」ではあるけれど,射程距離には収まっている。


 単なる「勝ち点3」にとどまらない意味を持ったゲームでしたから,悔しくないはずもありません。押し切っていけるのでは,という時間帯もあったと思いますし。とは言いながら,この敗戦にだけ意識を振り向けているわけにはいかない,というのも確かです。昨季のような悪循環,などという見方もできなくはないでしょうが,そんな見方をする前に,「連戦」であることを意識する方が先決,でありましょう。


 戦闘態勢を短期間で整え直すために。そんな方向性でごく手短に,清水戦であります。


 自分たちのフットボールと,相手の仕掛けてくるフットボールとのバランス。そのバランスを,オン・ザ・ピッチで探り当てながら試合を動かせる時間帯が着実に増えているな,という印象があります。自分たちのフットボールに,相手をどのようにして引き込んでいくのか,というのは当然に要求されるべきこと,ですが,その「引き込み方」に幅が出てきたかな,と。自分たちのフットボール「だけ」に意識が傾きすぎて,相手の出方に対して対応が硬直してしまう,という形にはならなかったか,と。
 とは言いながら,相手のストロング・ポイントをしっかりと封じきれなかった,という課題が残るのも確かです。物理的な「高さ」では,当然に厳しい。ただ,相手は高さ「だけ」を生かして空中戦に持ち込んでいるわけでもない。空中戦に持ち込まれる前段階,フィニッシュに近い段階での対応で,相手をコントロールできている時間帯と,コントロールが機能しきれない時間帯とが出てしまうことに,課題を置くことがフェアだろう,と思います。
 このことを相手サイドに裏返して考えるならば,「形」への信頼,ということになるでしょうか。守備面で言うならば,形に持ち込まれないようにする守備応対が求められることになるし,攻撃面で見るならば,浦和にとっての「形」の確立,ということも鍵になってくるでしょう。浦和のスタイルを思えば,自由度が高いスタイルを志向しているわけですが,その中でもある一定の「型」,誰が,という意味でのパターンではなくて,攻撃ユニットが共通して持っている「型」が見えてくると,ワンステップ上がれるかな,と思うわけです。


 結果として,前節からの悪循環は止められませんでした。


 ですが,このことだけに意識が飛んでしまえば,本当に目標を見失うことになりかねません。まだ,目標を見失うほどの距離というわけでもありません。今節の課題,その整理をしっかりとできるような時間があるわけではないけれど,課題整理とは別にリズムを取り直していくことが,悪循環を断ち切るために求められるのかな,と思います。