対C大阪戦(10−04A)。

ゲーム・コントロール,という方向性で見たくもなりますが。


 まだ,「らしい」時間帯が少ない段階で,トータル・バランスを必要以上に大きく考えることもなかろう,と。フットボールは,得点を奪わない限り「勝ち点3」には近付けない競技です。バランスは大事ではあるけれど,攻撃面が抑え込まれてしまっては意味がない。10スペックらしいフットボール,中でも攻撃面でのイメージをしっかりと描いていくことがまずは求められましょう。そして,「勝ち点3」という足掛かりを,しっかりと積み重ねていくことでもあろう,と。


 昨季は,手掛かりを足掛かりに,という循環を断ち切ってしまった。ある意味,確信を揺るがせてしまったわけですが,今季はその轍を踏んではならない。しっかりと循環を作り出していかないと。
 ということで,C大阪戦であります。時期遅れでもありますから,(いつもよりはちょっとだけ)短めで。


 オープンな試合にしてしまった,という印象は確かにあります。先取点奪取直後の失点は,チームとして最も警戒すべき部分でありましょうし,ゲームの流れ,という側面から考えても引き寄せかけた流れを再び自分たちから手放してしまいかねない話ですから,当然に修正すべき要素です。
 ではあるけれど,そんな試合展開の中でも「勝ち点3」を奪取できた,という部分を強調しておくべきか,と思います。
 シーズン立ち上がりは,チームとしてどのような攻撃を仕掛けるのか,という意識は確かにピッチで表現できていたか,と思うのですが,その攻撃が必ずしも,相手守備ブロックに対する脅威として機能していたとは言い切れないところがあります。ピッチから受ける印象として,相手を崩し,決定的な局面へと持ち込む,というタイミングでのイメージが,まだハッキリと見えてきてはいなかった。ポゼッションからの攻撃,は確かに表現できているけれど,ポゼッションを脅威に,という形になりきっていない。まだ,実戦負荷が掛かった中での攻撃面でのイメージでは,チームを加速態勢に持ち込むだけの手掛かりをつかみ切れていないのか,という印象でもあったわけです。


 まだ,今節にあってもイメージの曖昧さは残っているようには感じられますが,少なくとも「攻めきる」という姿勢が得点,という結果に結び付くことで,手掛かりを得ることはできたのではないか,と思います。ワンステップ,と言うにはちょっと足りないにしても,ハーフ・ステップくらいは加速方向へと動きだしたかな,と。


 ゲーム・コントロールという方向性だけから考えてしまうと,まだ構築途上のフットボール,その攻撃面がしっかりと機能する前段階で,フットボールが小さくまとまってしまう可能性もあるように,個人的には感じられます。対戦相手を含めて,いささかルーズな印象が付きまとった守備応対を思えば,大きな手掛かりと言うわけにはいきません。それでも,攻撃面での手応えと,「勝ち点3」という手掛かりは得ることができた。09シーズン,10シーズンと継続してきているフットボール,その方向性に対する裏付け,とでも言いましょうか,その裏付けを「勝ち点3」が確信に変えていく触媒になるはずだ,と思いますし,確信が深まってくれば,10スペックなフットボールが表現できる時間帯も自然に増えていくはずだ,と思います。
 この手応えであったり手掛かりを,さらにフットボールを熟成させていく,スタンディングという部分からいうならば,ポジションを上げていくための「足掛かり」に変えていく,という循環に乗せていくことが,これからの最も大きな課題かな,と思うわけです。